今がチャンス

飼育課 西田 俊広


バードケージの冬鳥たち  「冷夏だ!暖冬だ!」と人間様が騒いでいる間にも、夏鳥や冬鳥達は過ごしやすい環境へと移動を繰り返しています。 この時期すでに多くの冬鳥達が厳しい冬を乗り越えるべく、日本へ渡って来ています。 それは私達の身近でも確認出来ます。「近頃○○池にたくさんの鳥が浮いているなぁ...」とか「○○川で白い鳥が急に増えた」等々。カモ類やユリカモメが長旅を終えて休んでいるのです。体力の回復を計っているようなのでバードウォッチングのチャンスです。是非とも近くの川や池に行って見てください。また、「冬の使者」としてハクチョウが有名ですが、滋賀県琵琶湖北部まで足をのばすと、コハクチヨウが観察出来ます。 ここで鳥が苦手と言う方は、夏鳥、冬鳥、留鳥という3パターンを覚えましょう。これは、あくまでも基準は日本列島です。夏に繁殖するためにやってくるのは夏鳥、冬に体力をやしなうためにやって来るのは冬鳥、ほぼ一定の場所で一年中見れるのは留鳥です。(ただし最近の調査、研究では個体レベルでの例外も多々あるようです) これらにあてはまらないのは旅鳥、漂鳥、迷鳥、カゴぬけ鳥になります。自然のことですから、まれに雑種もみかけられます。

 当園のバードケージには外国産と日本の留鳥や冬鳥をメインに飼育しています。 もちろん、今、見頃をむかえているのが冬鳥のカモ類です。ではなぜ冬が見頃なのか? 理由は簡単!綺麗なんです。これはオスだけですが、派手な衣装を身にまとい、繁殖の相手を見つけたり、お互いの絆を深めあう為、さかんにディスプレイーを行います。種類によって様々で何度見ても関心させられます。言葉に表現するのは大変難しく、感じ方も違うでしょうから、是非ともご覧ください。根気よく観察しましょう、相手は生き物です...といっても飼育個体なので自然個体よりもはるかにリラックスした姿を見せてくれるでしょうし、距離も近くて写真やビデオ撮影にはもってこいです。それと必需品として双眼鏡をお忘れなく。結構役立ちますよ!今がチャンスなんです、真冬になると手足が冷えてきて観察することが辛くなってきますので防寒対策は完璧に!冬が終わるとオス達もメスと同様に地味な夏羽に変わってしまいます。(この時期をエクリプスと呼びます) メス達が卵を抱いたり、ヒナを育てているので必要がなくなる訳です。 んー、目一杯書きましたので読者の方々は観察したくなったに違いありませんネ。ホラホラ!バードウォチング〜!!