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飼育課:鈴木 克治、西岡 真 2004年7月12日にブチハイエナの赤ちゃんが生まれました。 |
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みなさん、ブチハイエナという動物をご存知でしょうか?ブチハイエナは南アフリカ南部とコンゴ盆地を除くサハラ砂漠以南のアフリカのサバンナに住んでいます。夜行性で昼間は木の茂みや穴の中に隠れていて、日が暮れたら食べ物を探しに出かけます。平原の掃除屋と呼ばれていて、動物の死体や他の動物の食べ残しなどを食べており、あごや歯がすごく丈夫でライオンなどが食べ残した骨でもバリバリと噛み砕いて食べていると思われていました。しかし、最近の研究では、食べ残しをあさったりするだけでなく、ライオン達から獲物を横取りしたり、自分達で狩りをして獲物を捕るほうが多いことが分かりました。 父親の秀と母親の愛はアフリカにあるタンザニアという国から海を越えてはるばるやってきました。秀が2003年2月24日、愛は2003年3月11日に来園しました。メスの愛の方が強く、オスの秀は逃げ回り、隅にいることが多く、交尾は観察されませんでした。そんなわけで、妊娠しているとは思われませんでした。 出産当日、朝早く出勤するとオオカミ舎で何かイヌかネコの赤ちゃんのような鳴き声がしました。管理通路に入って周囲を観察をすると、ブチハイエナのメスの寝室が血だらけになっていました。出産を疑いましたが、赤ちゃんの姿が寝室内のどこにも見当たりません。しかし、鳴き声は聞こえるので、声のする方へ探しに行きました。すると、排水溝の中で真っ黒な赤ちゃんが2頭鳴いていました。すぐに助け出し、体が少し濡れていたのでタオル2枚で身体を拭きました。それから動物病院にあった保育器をオオカミ舎の管理室へ移し、2頭を収容しました。2頭の体重は1200gと1000gでした。体色は真っ黒で、すでに自分で歩くことができ、前歯と牙が生えていました。目は開いており、見えてはいないようでしたが、明るさは感じているようで、暗くすると落ち着きました。性別は不明でした。ブチハイエナの性別は見た目では分かりにくく、昔の人は雌雄同体だと思っていたそうです。
3日後の7月15日に体重測定すると、母親に戻した優の体重が増えていたので、人工哺乳をしていた子も母親に戻すことにしました。しかし、残念なことに戻した子は2日後の7月17日に亡くなってしまいました。
オオカミ舎の一番左の部屋で展示しています。来年の夏か秋にはサバンナ区の肉食動物ゾーンが完成し、引越しをする予定になっています。午前中はお父さんを展示し、午後からは優をお母さんといっしょに展示していますので、会いに来てください! |
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