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天王寺動物園開園90周年記念
〜記念講演&シンポジウム「動物園が今おもしろい!」〜を開催しました
 天王寺動物園では、開園90周年を記念して記念講演&シンポジウム「動物園が今おもしろい!」を平成17年9月23日に大阪厚生年金会館芸術ホールで開催しました。(OCA大阪コミュニケーションアート専門学校との共催で開催)
第1部の記念講演として、天王寺動物園開園90周年を祝して国立民族学博物館顧問である梅棹忠夫様からお祝いメッセージをいただき、元天王寺動物園長の中川哲男氏が「天王寺動物園90年のあゆみ」と題した記念講演を行いました。また、世界各地から天王寺動物園に寄せられたお祝いのメッセージも披露されました。

 第2部のシンポジウムでは、「動物園が今おもしろい−これからの展示はどうあるべきか」と題して、現在日本で特徴的な飼育・展示を行っている動物園の園長、動物園を利用する市民の立場や動物園を教育・研究の場として利用する立場の方がそれぞれの立場から今後の動物園のあるべき姿について発表を行い、フロアも巻き込んで活発な意見の交換が行われました。シンポジウムは、動物園の展示手法を研究する大阪芸術大学の若生教授と、動物園を利用者の視点でとらえる研究を進めている大阪市立大学の橋爪紳也助教授がコーディネーターとなって進められました。

 特徴的な飼育展示を行っている施設として、動物の動きを分かりやすく見せる行動展示を行っている旭山動物園、野生での生息環境を再現した生態的展示を取り入れている天王寺動物園、日本産動物の展示と園内での里山再生を目指す富山市ファミリーパークの3施設の動物園長が、それぞれの施設の考え方や取り組みを紹介しました。動物園を利用し観覧する市民の立場として、市民ZOOネットワークとおんなの目で大阪の街を創る会の2グループの代表が、理想的な動物園像や動物園に市民が求めるものについて提言を行いました。さらに、動物園を教育・研究の場として利用する立場として動物園を調査研究の場所としている日本大学の村田教授が、動物園が教育や研究の場である必要性、重要性を解説しました。

 フロアからは、動物園は今後より広い視野を持って運営されなければならないといった意見が寄せられるなど、動物園の将来的な方針について積極的な意見交換がなされる有意義な会となりました。

■■プログラム■■

■主催者挨拶
1.天王寺動物園長 宮下 実
2.大阪コミュニケーションアート専門学校名誉学校長 鞍井修一 

■1部 記念講演
1.記念特別メッセージ
「天王寺動物園90年を祝して」 国立民族学博物館顧問 梅棹忠夫(代読:宮下実)
2.記念講演
 「天王寺動物園90年のあゆみ」 大阪市天王寺動物園協会理事長 中川哲男
                (元天王寺動物園長) 
3.世界各地からのお祝いのメッセージ紹介 午後1時35分〜1時40分
 天王寺動物園飼育課長 長瀬健二郎 

■2部  記念シンポジウム
「動物園が今おもしろい−これからの展示はどうあるべきか」

シンポジストと演題 
1.旭川市旭山動物園長 小菅正夫  (ビデオ出演)
 「人気をよぶ行動展示、その動物園づくりの秘訣は」
2.富山市ファミリーパーク園長 山本茂行 
 「日本産動物の展示と里山の再生、その発想の根源は」
3.大阪市天王寺動物園長 宮下 実 
 「野生動物の生息地を再現した生態的展示、その目的とするところは」
4.市民ZOOネットワーク代表 牧慎一郎 
 「動物園の展示を評価する〜エンリッチメント大賞の取り組みより」
5.おんなの目で大阪の街を創る会代表  小山琴子 
  「利用する立場で動物園の展示を考える」
6.日本大学教授 村田浩一 
  「研究者として見た動物園の展示」
 コーディネーター     
  大阪芸術大学教授  若生謙二 
  大阪市立大学助教授 橋爪紳也


■講演抄録
「天王寺動物園90年の歩み」
 中川哲男(なかがわ てつお)  (社)大阪市天王寺動物園協会理事長
「人気をよぶ行動展示、その動物園づくりの秘訣は」
 小菅正夫(こすげ まさお)  旭川市旭山動物園長
「日本産動物の展示と里山の再生、その発想の根源は」
 山本茂行(やまもと しげゆき)   富山市ファミリーパーク園長
「野生動物の生息地を再現した生態的展示、その目的とするところは」
 宮下 実(みやした みのる)   天王寺動物園長
「動物園の展示を評価する〜エンリッチメント大賞の取り組みより」
 牧慎一郎(まき しんいちろう)  市民ZOOネットワーク代表理事
「利用する立場で動物園の展示を考える」
 小山琴子(こやま きんこ)  おんなの目で大阪の街を創る会代表
「研究者として見た動物園の展示」
 村田浩一(むらた こういち)  日本大学生物資源科学部教授