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あなたがよくご存知の鳥はなんですか?答の多くはスズメでしょう。たしかにスズメは街中でよく見かけます。ではもう一つ。スズメの絵を描いてみてください。どうでしょうか?おそらく正しく描ける方は非常に少ないと思います。地味に見えるスズメをよく見ると、実はけっこう複雑な模様をしています。私も描ける自信はありません。さらにいくつか。スズメは何を食べているのでしょうか?何年ぐらい生きるのでしょうか?こう聞かれると知らないことだらけです。しかも、あなたがスズメだと思って見過ごしていた鳥が、実はスズメではないかもしれません。「身近な場所でもバードウォッチングを楽しむことができます」というお話をすると「うちの周りにはスズメとカラスぐらいしかいないからなあ」という声をお聞きすることがあります。でも住宅街でもちょっと散歩すれば野鳥の10種ぐらいはすぐ見つかります。「スズメとカラスぐらいしか」という思い込みが、すべての小鳥をスズメに見せてしまっているのかもしれません。しかも街のカラスにもハシブトガラスとハシボソガラスという2つの種類がいるのです。
テレビや雑誌に出てくる美しい鳥は山奥にしかいないというわけではありません。近所の公園にもいます。私が勤務している横浜自然観察の森は大都市の中にありますが、フクロウもタヌキもノウサギも暮らしていますし、これまで140種以上の野鳥が確認されています。動物園にいるような動物たちはみんなどこか遠くにしかいないというわけではなく、身近なところにもいるのです。夜の帰り道、公園で見かける動物の影はノラネコではなくタヌキなのかもしれません。
地球上の様々な生命の存在を、単に知識として知るだけでなく、自分の目で見ることで何か感じることがあるでしょう。それが様々な地球環境の問題解決へと一歩近づけてくれるのではないでしょうか。まずはスズメをじっくり観察してみませんか。
(あずま よういち)
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