天王寺動物園の夜行性動物舎には約30匹のエジプトルーセットオオコウモリがいます。コウモリといえば、不気味なイメージを持つ人も多いでしょうが、よく見るとけっこうかわいいものです。今回は彼らの生活の様子を紹介しましょう。
(撮影、構成:仁木 美智子))
ちょっとわかりにくいですが、子供のコウモリがお母さんの飛膜の内側にいるのがわかりますか? 今、夜行性動物舎では、親離れした小さい子供のコウモリがぶら下がっているのも観察できます。
コウモリが食べたあとのオレンジのかすです。繊維の多い果物は、口の中でくちゃくちゃ噛んでカスだけぺっと吐き出します。全部は飲み込まないんですよ。
真ん中にいるコウモリの左の翼についている黄色いものは、個体識別用のバンドです。年に一回全頭捕まえて個体数を調べ、マイクロチップとタトゥを入れるのですが、私たち飼育員が外から観察する際には数が多くてどれがどの個体かわかりません。ですので、外から見てわかる印をつけはじめています。
左は、お母さんの飛膜から顔を出した子供のコウモリ。ちゃんと抱っこしてもらっています。
おしっこやうんこをするときは、このようにうまいこと上のかぎ爪状に なっている部分でぶらさがって、自分の顔にかからないようにします。 飛行しながらしたりもするので、私たち飼育員は時々かけられちゃうんですが…