少し前になりますが、アムールトラのセンイチの健康診断を行いました。センイチは2003年10月に天王寺動物園に来園してから8年近く1度も麻酔をかけたことがなく、その時が初めての試みでした。定期的に健康診断を行うことが理想なのですが、麻酔をかけることは動物にとってかなりの負担になり麻酔が原因で死んでしまうこともあるので、怪我や病気などで麻酔をかける必要がある時に治療と合わせて全身の健康診断を行います。センイチの場合、麻酔をかける必要がなかったので1度も検診をしたことがなく、年齢的にも負担の少ない若い時期に1度行ってみようということになりました。その時の健康診断の様子を紹介したいと思います。

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麻酔は、獣医師が寝室の外から動物の太もも辺りをねらって麻酔銃で撃ちます。刺さったら麻酔が効いてくるのを待ちます。
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眠りについたら飼育員、獣医師らが寝室の中に入り、まず体重を量ります。センイチの体重は140sでしたが、アムールトラの雄は300sにまでなるものもいるそうですが、日本の動物園にいるほかのアムールトラの雄と比べるとセンイチはかなり大きい方だと思います。
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ネコ科の動物は普段は爪(つめ)が指の中に入っており、何かをつかむ時や木に登る時に爪(つめ)が出てきます。爪(つめ)の付け根辺りを押すと爪(つめ)が出てきます。 これは爪(つめ)切りの前の状態ですが、普段の行動や爪(つめ)研ぎでちゃんと削れている爪(つめ)です。
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自分で爪(つめ)研ぎをするので、きちんとと研げていれば、爪(つめ)切りの必要はありませんが、親指の爪(つめ)は木に接触しにくいので伸びていることが多いのです。
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動物専用の爪(つめ)切りやニッパーで伸びた爪を切っていきます。
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歯科用の歯石取りで表面に付いている歯石を削っていきます。歯石がついたまま放置しておくと歯槽膿漏(しそうのうろう)になり、歯を失うことになります。
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採血をしているところです。右後ろ足の内側から静脈を探して針を刺します。動物病院や検査会社で血液検査を行います。
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