天王寺動物園は、2015年(平成27年)で100年を迎えました。



ごあいさつ

野原 賢一郎

 天王寺動物園は、2015年(平成27年)1月1日をもって開園百周年を迎えることができました。これも、ひとえに当園をこよなく愛していただいている皆様のおかげと深く感謝申し上げます。

 1915年(大正4年)1月1日にこの天王寺の 地に開園しました「大阪市立動物園」はわずか 約7,900坪(約2.6ha)の広さで、60種約230 点の動物が飼育展示されていました。

 現在の動物園はその後の拡張により約11haの広さがあり、アフリカサバンナゾーン付近が開園当時の動物園の位置でした。

 百年という長い期間ですので、当園をご愛顧 いただいている皆様の中には、親子三代、四代にわたってご来園いただいている方々もおら れることと思います。私自身も小さいころに天王寺動物園を訪れ、色々な動物を見ながらわく わくした思い出がありますが、動物公園事務所長として開園百周年のごあいさつを書かせて いただいていることは感無量の思いです。

 折しも開園百周年を目前にした昨年の7月30日に、64年間もの長きにわたり当園の人気者だったアジアゾウの春子さんが亡くなるという悲しい出来事が起こりました。

 春子さんが亡くなったとの報道を受けて、 連日、たくさんの方々からお悔やみの言葉 やお花、果物などのお供え物をいただき、あらためて動物園にお寄せいただく皆様の愛 情を目の当たりにした次第です。

 天王寺動物園は昨年から新たに動物園改革担当部長を迎えて、次の100年に向けた 取り組みを進めております。また、隣接する公園エリアにおいても新たな取り組みによ り動物園を核としたエリアの魅力向上に り組んでおります。

 これからも50年、100年と皆さまに愛され続ける動物園となるよう、職員一丸となっ て取り組んでまいりますので、今後とも今までと変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い 申し上げます。

天王寺動物公園事務所長

野原 賢一郎


 

次の100年に向けて

牧 慎一郎

 天王寺動物園は、2015年(平成27年)で100年を迎えました。動物園が100年もの歴史を刻むことができたのは、動物園の諸先輩方の努力の積み重ねの賜物であり、動物園を愛し応援いただいた多くのお客様のおかげです。この場を借りて感謝を申し上げます。

 現在の当園では、アフリカサバンナゾーン、アジアの熱帯雨林など、ZOO21計画に基づき逐次整備してきた「生態的展示」の施設を有し、長年の飼育の技術・ノウハウの積み重ねを踏まえて多くの人気動物を飼育展示しています。一方で、施設の老朽化、お客様目線でのサービスの不足など多くの課題があります。

 動物園も時代に合わせて進化しなくてはなりません。動物園の次の100年を見越して、ZOO21計画に代わる将来計画を策定する必要があります。私としては、動物園をもっとワクワクするような場所にして、たくさんのお客様に笑顔になっていただけるような動物園にしたいと思っていますが、楽しさの中にも大事なこと(野生生物が直面している厳しい現状など)を伝えていくことも動物園の重要な仕事だと思っています。また、国内外の動物園間の繁殖協力にも力を入れ、国際的にも第一級と認められるような動物園になっていく必要があるでしょう。公立動物園としての役割をしっかりと果たしつつ、多くのお客様にこれからも支持いただけるような動物園を目指してまいりますので、ご支援方よろしくお願いします。

動物園改革担当部長

牧 慎一郎