生きている命を感じるために

個人的な意見かもしれませんが、野生動物が暮らしているとは思っていません。

なぜなら野生で暮らしているのが野生動物だと思っているからです。

姿かたちは野生動物ですが、暮らし方は全く違う動物たち。

動物園動物だと思っています。

その動物たちの好き嫌いに関わらずそこで暮らしている動物たち。
野生動物にしてもそれは同じかも知れませんね。
どこで生まれてどの環境で暮らすかは選んで生まれてくるわけではありません。
生まれた環境で暮らしやすく生活している。

動物園で暮らしている動物たちも暮らしている範囲内で自分なりに暮らしやすく生活をしています。動物舎を建てるときには動物の種類に寄って暮らしやすくなるように設計してつくられています。
動物の種類によって傾向はありますが、同じ種類でも個々の性格が違います。
野生で生きて行くのにとてもいい性格でも動物園で暮らすのには適さない性格の動物もいます。

そのそれぞれの個をすべて満足な暮らしを送らせてあげるのはとても難しい。

でも動物園で暮らしている命が野生で暮らしている命より幸せな命になるような動物園でありたいと願っています。
スペース的には野生で暮らしている動物たちより制限されています。野生本来の生活を出来ないかもしれません。でもそれぞれの命が幸せであるように向き合っていきたい。

そのために効率化を求めるだけの動物園では暮らしている動物たちの命に申し訳ない。
暮らしている動物たち、関わっている職員、足を運んで下さっている来園者のみなさん、支えてくれている大勢のみなさんが笑顔になれる動物園でありたい。

効率化効率化ってちまたで叫ばれているかもしれませんが、効率化によって人の命が余っているのかもしれません。
地球上に人間が多すぎるのかもしれません。
地球上の全ての命が複雑に絡み合ってかかわり合って地球上で暮らしている。

普段の生活の中で人間以外の命を感じて生きていますか?

命のつながりを感じて生きていますか?

動物は生きて行くために何かの命を食べないと生きて行くことが出来ません。人間も同じです。
御飯を食べるということは何かの命を自分の命に変えるということ。

地球上にはたくさんの命があり、その命がつながって地球があります。
人間だけの地球じゃないってことを感じに、生きている動物たちの命を感じに動物園に足を運んでみて下さい。

 

ミミナガヤギのメイ(右)とミユキ

ミミナガヤギのメイ(右)とミユキ

 

(西岡 真)

 

▲ページTOPに戻る