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インタビューInterview

飼育担当係長
小谷

飼育担当係長 小谷

自己紹介をお願いします。

兵庫県北部温泉町(現:新温泉町)で人の世に生をうけました。玄関を入ると牛が居り縁の下でニワトリを飼い、牛・ニワトリの堆肥で田畑を耕し稲作中心の農家で育ちました。地元の高等学校卒業後、縁あって民間の動物園に飼育係として採用され飼育係として生活していく事になりました。

後に、天王寺動物園で飼育係員として採用されアジアゾウの担当となり、春子・百合子・ラニー博子と長くつきあうことになるとは知らず、業務につきました。アジアゾウの他にもアミメキリン、アシカ、二ホンシカ、ツル、鳥の楽園等飼育担当させていただきました。

小谷さんからみた、天王寺動物園の魅力を教えてください。

僕個人の思いですが、雨の日の天王寺動物園が好きです。いつもの都会の雑踏や、都会臭さが雨によってかき消され、いつもとは違う雰囲気。来園者も少なく、休園日とは違う気配。なんといっても動物の姿、表情がいい。来園者に気を使う事も少なく休園日に近い姿、それがいい。靄のかかるあべのハルカス、鉄だった感じの重厚な通天閣。これもいい。

飼育担当係長 小谷

動物に接する上で心掛けていることは何ですか?

よく動物を観察すると、飼育係に必要ないろいろな情報が入ってきます。前日の夜から朝までの気象情報が気になります。特に地震・雷・突風は動物に影響を与えることが多々あります。

また、恋人または夫婦ゲンカは、朝家を出るまでになるべくスッキリさせて出勤する様に心がけていました。気持ちに隙ができます。私たち、動物に関わる飼育係が気持ちに余裕がないと動物を健やかに飼育することもできないし、動物にとっていい環境を作ることも出来ないと感じています。(何時も眉間に皺を寄せている僕が言うのも何ですが・・・・・)

ベテラン飼育専門員 小谷

小谷さんはベテラン職員さんとのことですが、動物に接する上で常に心がけていることや後輩のスタッフたちに目指してほしい点などを教えてください。

動物園って、平和な時はもちろん、有事のときも災害のときもその時代その時の状況に合わせて私達との関りを深めたり、少し間を置いたりと変化し、来園者をニンマリさせてくれたり、「へ~そうなんだ!!」と感動させてくれたり、探究したり、時にはみなさまのきつい意見を多くいただくこともありますが、私たちに関わり続けてきた存在だと感じます。
動物園がリモートや、バーチャルなどこの先どのように変化していくのかは不明ですが、動物園を利用される来園者・飼育動物・飼育係が生身の身体であることは今後も変わりないことだと思います。眉間に皺を寄せて丸坊主ででかい風貌の飼育係に、小っちゃい子供たちが「ありがとう」と声をかけてくれます。この時だけは、眉間の皺がなくなり目尻が下がりただのでかい関西のおっちゃんになってしまうのです。だって、生身ですから。

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