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動物園との調査研究Research Activities

 

動物園では、絶滅が心配されている種を含む様々な動物を飼育しています。動物を健康に飼育し繁殖させるためには、どのような餌をどれだけ与えればいいか、どのような巣を用意し、いつオスとメスを出会わせれば繁殖するのか、どういった病気や怪我に注意しなければならないかなど、幅広い情報を知っておく必要があります。このような情報は動物種によって違っているため、一つ一つ解き明かしていかなければなりません。動物の調査研究も動物園の重要な使命の一つなのです。保全が必要とされる動物種がますます増えていく中で、動物園における調査研究の重要性は高まっています。

天王寺動物園でも、調査研究の取り組みを推進しようとしています。当園が単独でできない調査研究については、他の動物園や水族館と連携し、大学などの研究機関と協力しています。今後も野生動物に役立つ成果が得られるように、組織的な活動を進めていきます。

 

天王寺動物園での共同研究の実績(一例)

テーマ対象動物研究概要・天王寺動物園の関わり方状況資料
データロガーを用いた飼育動物の行動計測クロサイ、キーウィ【研究概要】
データロガー(センサにより計測・収集した各種データを保存する装置)を対象の動物に取付け、活動量や休息時間など1日の動きを記録します。その記録を統計的に処理して分析し、飼育現場でどのような対応をすることで、対象動物の生活の質の向上をはかることができるのかを研究します。

【天王寺動物園の関わり方】
データロガーを動物に取り付け、行動の統計をとっています。

研究活動中
動物細胞の不死化細胞株に関する研究全般【天王寺動物園の関わり方】
動物の組織の一部について採取しています。
研究活動中
ホッキョクグマの毛の縦方向の切断ホッキョクグマ【研究概要】
ホッキョクグマの毛は白色ではなく、透明で、中が空洞になっています。この研究では、その毛を横方向ではなく、縦方向に切断することで、毛の構造について研究しました。

【天王寺動物園の関わり方】
ホッキョクグマの毛の採取・提供をしました。

研究終了・発表済み資料URL   
ホッキョクグマ母子の行動発達研究ホッキョクグマ【研究概要】
2020 年 11 月 25 日に誕生した、ホッキョクグマのホウちゃん(メス)と、⺟親のイッちゃんを対象に、母子の行動観察を行ったものです。野生ホッキョクグマは、⻑期間観察し続けることが困難ですが、動物園ではじっくり観察・調査・研究することが可能です。動物がより快適に暮らせるよう、生態・行動・繁殖・病気・老化・⼦育てといった特徴を科学的に分析する「調査・研究」も動物園が果たす役割の大きな1つです。
研究活動中
チュウゴクオオカミに対するQOL拡大のための取り組みチュウゴクオオカミ【研究概要】
QOLとはQuality of life(クオリティ・オブ・ライフ)の略称で「生活の質」を示す概念です。このQOLを高めることで動物の福祉を向上させることができます。この研究では飼育下のチュウゴクオオカミたちの生活の質を高めるために行った取組について研究しています。

【天王寺動物園の関わり方】
チュウゴクオオカミに対し、新たな取り組み(給餌の仕方を変えるなど)を行った都度、チュウゴクオオカミ達の行動の変化を観察しています。

研究活動中
環境保全教材の開発と啓発効果の検証イヌワシ【研究概要】
イヌワシはタカ目タカ科の鳥ですが、野生の特に日本の森林においてはクマタカなどとともに食物連鎖の頂点にあるキーストーン種(他の動物や植物を食べることによって生態系に与える影響が大きい動植物)です。日本の森林環境を保全(自然のままに守る)するためにはイヌワシを保護していく必要があります。この研究ではイヌワシやクマタカなどのキーストーン種を軸とした環境保全のための教育活動としてどのようなことができるか、またその教育効果はどのようなものかについて研究していました。

【天王寺動物園の関わり方】
実際にズースクールやとっておき話等の機会に教育活動を実践し、参加者へのアンケートを収集していました。

研究終了・発表済み
マレーグマおよびブチハイエナの繁殖に関する研究マレーグマ

ブチハイエナ

【天王寺動物園の関わり方】
動物の組織の一部について採取しています。
研究活動中
クマ類の着床遅延に関する研究クマ類【天王寺動物園の関わり方】
動物の組織の一部について採取しています。
研究活動中
現生鳥類の成長に伴う骨格形態の研究鳥類【天王寺動物園の関わり方】
動物の組織の一部について採取しています。
研究活動中
アルダブラゾウガメの消化速度と体温/活動量に関する研究アルダブラゾウガメ【天王寺動物園の関わり方】
動物の組織の一部について採取しています。
研究活動中
日本の動物園建築における社会的な位置づけ及び建築様式の変遷についての研究【研究概要】
諸説ありますが、日本の動物園の歴史は長く、特に日本で3番目にできた天王寺動物園は100年以上もの歴史があります。時代の移り変わりとともに動物園内にある建物(獣舎や展示場)の建築方法(建て方)、デザイン、機能性も移り変わっています。この研究ではその移り変わりがどのようなものなのかを研究しています。

【天王寺動物園の関わり方】
獣舎についての資料などを提供していました。

研究終了・発表済み
ペンギン舎の新設がペンギンと来園者の行動に与える影響フンボルトペンギン【天王寺動物園の関わり方】
新施設への移動前、移動後とに分けてペンギンの行動を観察し、記録しています。
研究活動中

 

研究者のみなさまへ

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