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インタビューInterview

獣医師
小川

獣医師 小川 吹き矢で麻酔をかけます

自己紹介をお願いします。

天王寺動物園で獣医師として働き始めて2年半になります。動物園の獣医師を目指したのは、動物園は様々な動物たちの健康管理や展示をすることで、お客さまに楽しんでもらうだけでなく、野生動物の保全・研究・教育など多くの役割があり、働くことができたらやりがいも多く楽しそうだなと思ったからです。

大学卒業後は、動物園で非常勤の獣医師として働きましたが、動物園の獣医師の仕事はとても幅広く、もっと診断や治療について実践的に学び経験を積みたいと思い、一度は犬猫の救急病院で獣医師兼動物看護士として働きました。その後、再び動物園で非常勤の飼育員や獣医師をしながら就職活動をして、現在に至ります。仕事はやはり大変なこともありますが、とても充実して楽しいです。

小川さんからみた、天王寺動物園の魅力を教えてください。

天王寺動物園では獣医師の診療動物の分担がありません。そのため、大変なこともありますが、園内のどの動物にも積極的に関われるため、とても魅力的だと思います。また、大阪らしいのかなとも思いますが、意見をはっきり言われる方が多く、話しやすい環境だと思いました。各専門員も獣医師も色々な経験を持った職員がいますので、意見やアイディアを出し合いながら健康管理や治療の方針を考えています。

獣医師 小川 エランドにじゅ

これまで天王寺動物園で診療にあたった中で印象に残っている診療について簡単に教えてください。

キンカジュー、ピューマ、オオカミ、ニワトリ、フンボルトペンギン、テンジクネズミなど…印象に残っている治療はたくさんありますが、特に印象に残っているのはエランドのナルの治療です。ナルが生まれた直後は母親・ミナミの母乳があまり出なかったこともあってか一時期意識が朦朧として立つこともできなくなってしまったことがありました。急いで点滴などの処置を行い、その日のうちには哺乳瓶からミルクが飲めるくらいには回復してくれました。その後も、飼育員、動物専門員、獣医師で協力して、補助的に人口哺乳をしながら少しずつ母乳に移行することができました。展示場での元気そうな姿をみると、ナルが危機を乗り越えて頑張ってくれて本当によかったなと思います。

動物園業界とそれを取り巻く環境の変化について感じたことや印象に残った出来事、来園者にお願いしたいことなどを教えてください。

5、6年前と比べると健康管理をするためにトレーニングを取り入れることが一般的になった印象があります。天王寺動物園でもクマやサイなど色々な動物で行っています。麻酔をかけずに採血や注射、歯の洗浄などができ、動物への負担の少ない検査や処置が増えることは、動物にとっても良いことだなと思います。

ご来園の皆様には、ぜひ動物園の動物たちをきっかけとして、野生での環境や人とのかかわりなどにも興味をもっていただき、動物たちと私たち人がより良く共存していくために何かできることはないかなと考えてもらえたら嬉しいです。

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