みなさんこんにちは
本日、当園が協力したある研究についてご紹介いたします。
その内容は、
「ネコのマタタビ反応の謎を解明!~マタタビ反応はネコが蚊を忌避するための行動だった~」
岩手大学をはじめ、名古屋大学や京都大学、さらに英国リバプール大学の共同研究で、
ネコがマタタビ対して反応することの理由について研究されました。
詳しい研究内容は、こちらからご覧ください。
この研究で、初めてネコがマタタビにすりすりと顔や体をこすりつけるマタタビ反応の生物学的意義が解明されたそうです!!
マタタビに含まれる「ネペトラクトール」という成分がネコのマタタビ反応を誘起し、さらにこの成分には蚊を忌避する効果があることから、ネコはマタタビに体をこすりつけ、ネペトラクトールを体につけることによって蚊を忌避しているとのこと
当園は、ジャガーのルースをはじめ、数種類のネコ科動物がこの研究に協力させていただきました。
(↑実験をしている様子 提供:岩手大学)
しかしながら、ルースが化学物質を染み込ませたろ紙を剥がしてしまうなど、色々なトラブルもあり、
(↑ろ紙を剥がすルース 提供:岩手大学)
大学の研究者の方には、たくさん試行錯誤をしていただいた結果、ルースがこの「ネペタラクトール」に対してマタタビ反応をすることが確認できました。
ちなみに私が個人的に深く興味を持ったところは、
「マタタビ反応中のネコでは多幸感に関わる神経系であるμオピオイド系が活性化している」
という部分です。
私は動物専門員という仕事をしており、動物園の動物たちがどうやったら幸せに暮らすことができるか?を考えることが、大切な仕事のひとつです。
しかしながら、動物たちは言葉を話しませんので、その動物が幸せを感じているかどうか?という判断は通常行動観察から行います。
今回、このマタタビ反応中にネコたちが多幸感を抱いているだろうということを、血液検査の結果から確認できたのは、大変興味深いなぁと感じました。
ただ、ネコ科動物であっても、マタタビには反応しない個体もいますので、今後、研究が続き、より多くのことが分かればいいなぁと思っています。
今後も、私たちでできることは、協力させていただくつもりです。
また、春になってマタタビが手に入る時期になれば、ネコ科動物たちに試してみたいと思います。
それでは最後に、今回の研究とは直接関係ありませんが、昨年の夏に当園のジャガー・ルースとロンにマタタビを与えた時の反応もご覧ください。
ロンの場合
ルースの場合