防災訓練を実施しました

飼育員ブログ

みなさまこんにちは

本日もブログチェックありがとうございます。

昨日、休園日を利用して防災訓練を実施しましたのでその様子をお伝えします。

これまで防災訓練というと、開園日に来園者のみなさまがいらっしゃるなかで、職員のみで猛獣脱出に特化した内容(ちなみに猛獣役も職員)で行っていましたが、今年は園内で働く警備員やゲート・園内売店・清掃スタッフも参加し、しかも、単純に猛獣が脱出するだけでなく、大地震が起きて、停電やあれやこれやハプニングに次ぐハプニング、そして猛獣が脱出するという、より実際の災害を想定した内容(鬼シナリオとも言う)で訓練を実施しました。

初めて尽くしの試行的な訓練だったため、事前の告知は行わず、このような事後報告となってしまいましたこと、ご容赦ください。

昨日の訓練内容としては、

(1) 大規模な地震が発生

(2) 動物の負傷、行方不明、施設破損、倒木、来園者の負傷などいろいろ発生!!

(3) (2)の事態に的確に対処。来園者の避難誘導も。ああ、忙しい・・・

(4) そうこうしているうちにマレーグマ(メス・1頭)が倒木を伝いまさかの脱走!!

(5) 危うし!!飼育員1名がマレーグマに攻撃される。

(6) 捕獲班・麻酔班大活躍で、とうとうマレーグマを追い込む。

(7) 麻酔、命中。

(8) 無事捕獲!!マレーグマ収容される。

(9) 地震による被害、逃げ遅れた来園者がいないか再確認。

という盛りだくさんの内容でした。

非常時の手順をきちんと確認することができたと同時に、無線での一部情報の錯綜や、捕獲専用の器具の破損といったトラブルが起こるなど、反省点もいくつかあったのでしっかりと修正していきたいと思います。

ちなみに、実際、みなさまにご来園いただいている時に大規模災害が発生した場合の避難先はてんしばです。状況に応じて職員ならびにスタッフが適切に避難誘導いたしますので、落ち着いて職員やスタッフの指示にしたがって行動してください。冷静さが何より大切です。

では、ここからは防災訓練のなかでも動物園として特に責任重大な猛獣脱出へ対応した部分について、写真と動画でその様子をお伝えします

 

脱出したマレーグマに偶然遭遇した職員が襲われてしまったようです。大丈夫?

 

駆けつけた救護班に救護され、救護室に運ばれました。意識も回復したようです

 

一方その頃、現場では脱走したマレーグマ捕獲のための準備がされていましたこれは追い込まれたマレーグマがさらに園内他所に逃げないように通路を塞ぐ立て網を準備しているところです。

 

立て網や楯で追い込まれたマレーグマに麻酔銃から麻酔が発射される瞬間です。捕獲される猛獣と捕獲する人間の双方の安全のため、麻酔で沈静化させてから捕獲・収容します。

 

沈静化していても安全のため、ネットを掛けてから確認します。獣舎に戻す時もネットで包んで運びます。とにかく慎重に作業します。

 

ちなみに、今回脱走した想定のマレーグマ。実物はこんな感じです。クマ科最小のクマで顔と胸と手足裏以外は艶やかな黒色です。小柄ですが、爪が鋭く、運動能力も高いので今回の訓練の捕獲対象に選ばれました。

 

 

天災はいつ何時襲ってくるかわかりませんが、日頃から備え、いざという時に来園者の皆さま、地域のみなさま、そして天王寺動物園で暮らす動物達の安全を守ることができるよう、今後も職員とスタッフ一丸となって、日頃から訓練や研修を重ねてまいります。

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