レッサーパンダのメルについて

ブログをご覧いただきありがとうございます。

今日は先日死亡したレッサーパンダのメルについて、追加で報告させていただきます。

メルは亡くなる前々日まで変わりなく過ごし、朝までに夜間のエサも完食し、便もしっかりしていました。

ところが、亡くなる前日の朝は動きが鈍く、おやつも食べません。寝ている時間もいつもより長くなっていました。メルの様子をじっくり見るため、いつもより早めに収容し観察を続けました。するとやはり寝室でも丸まって寝ていたり、おなかを触ろうとすると鳴いて顔つきも渋い様子から、腹部に違和感があり、恐らく痛みも伴っているものと考えられました。

できればしっかり触って検査をしたかったのですが、レッサーパンダは抵抗する力が非常に強いため、無麻酔で押さえつけて治療する事が困難な動物です。その時のメルは麻酔をしっかりかけなければじっくり触診することや採血、治療は難しい状態でした。観察した状態と軽く触った感じからおなかの張りもなく、夕方のエサを与えたところ食欲もあったため、全身麻酔でメルに負担をかけてしまうデメリットの方が大きいと判断し、その日は飲み薬で様子を見ることとしました。

(死亡報告のブログに前日にお腹の張りがあったと書いていましたが、実際には張りはありませんでした。こちらの文章で訂正させていただきます。)

 

しかし、残念ながら翌朝亡くなっていました。亡くなる前の夜にもリンゴや蒸しイモは完食し、他のエサも含めて給餌量の半分くらいは食べていました。

解剖した結果、死因は腸重積に伴う循環不全と診断しました。

腸重積は、腸管の一部が後ろの腸管に入り込んで閉塞してしまうものです。問題の部分は腸の細い部分にあり、解剖の際も見た目には分からず、時間をかけて見ていく中で判明しました。

内側に入り込んでしまった腸管がうっ血していたため、これが原因で血液循環が悪くなりショック状態に陥ったものと考えられます。

あまりに急なお別れで、スタッフも非常にショックを受けております。

これまでメルを応援していただき、本当にありがとうございました。

 

 

 

 

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