世界動物の日イベントを開催しました!

10月4日は世界動物の日です。
世界中で動物の福祉水準の向上を目指す日として、さまざまなイベントがおこなわれました。

天王寺動物園では、以前アジアゾウが暮らしていたゾウ舎を開放し、写真展を開催しました。

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また、13:30からは動物専門員による特別レクチャー『日本人が知るべきアフリカゾウカワウソのはなし』をおこないました。

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天王寺動物園にはアフリカゾウもカワウソも暮らしていませんが、動物園として伝えるべき2種と考え、お話しました。
この2種は密輸を目的として生息数を減らしていますが、実は日本人が生息数減少に大きく関わっているのです。

この現実を解説するとともに、みなさんひとりひとりがアフリカゾウのために、カワウソのために何ができるのかを考えていただきました。

●アフリカゾウ
アフリカゾウ1カラー
アフリカゾウの生息数減少の原因のひとつに”象牙”があります。
アフリカゾウから象牙を得ることはとても危険なので、殺されてしまうんです。
日本では象牙の置物やアクセサリー、楽器の道具、印鑑などで使用されていますが、国外への持ち出しは規制されています。
しかし、日本で合法的に手に入れた象牙製品を、違法に中国へ輸出するケースが増えているのです。

そこで、みなさんに問いました。
「あなたはアフリカゾウのために、何ができますか?」

●カワウソ
カワウソ4カラー
日本では現在、ペットとしてコツメカワウソを飼うことがブームになってきています。
国内での流通がほとんどないといわれているコツメカワウソは、生息地から違法に日本へ連れてこられているといわれています。
カワウソの飼い主にアンケートをとった報告から、「動物園や水族館で見てかわいかったからペットにした」と回答しているひとが少なからずいたこともわかっています。
動物園も、カワウソの減少に関係しているといっても間違いではありません。

そこで、みなさんに問いました。
「あなたはカワウソのために、何ができますか?」

そして最後に、この2種をまもるために、天王寺動物園に何を求めるのかをみなさんにアンケートをとりました。
みなさんからのご意見の全てを掲載します。
(以下、字数がかなり増えますので、興味がある方はご覧ください…)

・企画展などで期間限定で掲示をしたりしてますが、学びの場としていつでもそれが見られる場所があれば。
 そして、ソフトな掲示だけでなく現状(アフリカゾウが血まみれだったりちっちゃいカワウソが死んでたり)の写真も見せるべきと考えます。
・動物園のホームページに今日の内容をのせておく
各獣舎前に世界の動物の現状の説明看板を設置して下さい
・天王寺動物園内で、できるだけ繁殖させる!! 本日のイベントを年3回くらいして、人々に啓蒙活動をする!! 新聞などに掲載して人々に知らしめる!! アジアゾウでも良いのでゾウ2頭欲しいなぁ!
・カワウソの問題をみて、天王寺動物園は良く来ますけど、ジャガーやチュウゴクオオカミを見て「これくらいなら飼えそうやな」とか冗談まじりで言う人がたくさんいる。狭い檻で飼育してるから野生動物としての姿が見えない。もう少し展示に工夫をしたり肉食なら肉食の本来の生態を見せる工夫や施設(飼育舎)にしてほしい。安易に野生動物をペットとして飼育するとどうなるか、来園者にも分かりやすく教えてくれるような展示の仕方を考えてほしいです。
・アフリカゾウもカワウソもいないZoo
ですがとにかく現状を発信。このまま放置すると起こりうる事も含め。子どもたちにもわかるように紙芝居やショー形式で。捕獲時、輸送時の悲惨な状況も場合によっては知らせて良いかと。博子物語などはしても良いかと(アジアゾウですけど)。
個人の意識が大事。ほとんどの人が現状を知らないので。残酷かもしれないが、ゾウが象牙の為に殺されたり、カワウソが密輸の為に死んでしまったりした写真を展示して視覚で訴える。
・象牙は良い代替品が有ります。ゾウを殺してまで象牙が必要かを来園者さんに問いかけてみる。代替品と本物を並べてみる。
・アフリカゾウやカワウソの現状と日本人との因果関係を来園者が知る(今回の講話のように)、もしくはSNS等で、積極的に発信する。(先ず、この事実を大半の日本人が知らない)
かわいいだけでないリアルな姿を伝える。(場合によっては市政の広報などと連携する)

多くのストレートなご意見、ありがとうございます。
天王寺動物園として、今後はより一層野生動物の現状を訴え続けるとともに、みなさんひとりひとりも何かしらの行動をとることを支援していきたいと考えています。

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