今回は、天王寺公園にある河底池でのカメの生息調査をリポートします
近年、外来生物による国内の生態系の攪乱が問題視されており、動物園が進めるべき保全活動や環境教育においても重要なテーマとなっています。
天王寺動物園に隣接する天王寺公園にある河底池においても、観察されるカメ類のほとんどは外来種です。
そこで、天王寺動物園では2012年から河底池でカメ類の生息調査を継続して行っています
河底池にカニ用の捕獲カゴを仕掛けて一晩。カメが入ります。
(気候によって、カメが入らない時もあります)
この調査は、現在、天王寺動物園ボランティア組織zoofriendsのみなさんの活動として実施しています。
捕獲したカメの種、性別、体重、甲長を記録していますが、過半数が外来生物であるミシシッピアカミミガメ(いわゆるミドリガメ)で、在来種のカメ(二ホンイシガメなど)は残念ながらほとんどいません
河底池は河川とつながっていないため、外来種のカメたちは川の流れに乗って河底池にやってきたのではなく、人が飼育していたカメを捨てたり、逃がしたりした結果、河底池に生息しているものと考えられます。
調査が終わったカメは甲羅の端に穴をあけ、今後ふたたび捕獲されても識別できるようにしてから河底池に戻します。
天王寺動物園でこれまで確認しているカメの頭数は200頭強。
外来種であるミシシッピアカミミガメが約150頭、クサガメが約50頭、在来種のニホンイシガメ等は約10頭です。
今回、捕獲したカメの頭数は17頭ですべて外来種(ミシシッピアカミミガメとクサガメ)でしたが、そのうち3頭が新規個体でした。
今後もカメの生息調査を継続し、様々な情報を集めていきたいと思います。