みなさんこんにちは
最近暖かくて動物園日和ですね
桜をはじめ色々な花が咲いていて、動物園も華やかです
さて、チンパンジーと飼育員と獣医師でこっそり行っていた試みについてご紹介します
天王寺動物園では、毎年チンパンジーの健康診断をしていることをご存知な方は多いと思います
チンパンジーは体が大きく、とても力が強いため人の力で無理やり体を押さえて検査することはできません。お互いの安全のために、麻酔銃で麻酔薬を注射して、眠ってもらってから検査しています。
検診の時にチンパンジーに協力してもらって注射を直接打てたら、使う針も細くて良いしチンパンジーにとってもストレスが減って良いね…という話から、チンパンジーの注射練習が始まりました
しかし…チンパンジーたちはとても頭が良く、普段来ない人が来たり、普段と違うことがあると落ち着かず、注射練習どころではありません。ミナミに至っては、知らない人にはすごい勢いで便を投げてくることも…
でも麻酔薬は、普段から慣れている飼育員ではなく獣医が打ちたい…
そこで、どこにどうやって注射をするかを考えながら、飼育員は注射のためのトレーニングを進め、獣医はなるべく頻繁にチンパンジー舎に通って餌を渡したりしながらチンパンジーとお互いのことを知るようにしていきました
6頭一気に始めるのは大変なので、まずはリッキーとミナミから始めることになりました
初めは獣医が獣舎に入ると便が飛んできたり、餌をあげる手を弾かれそうになったりしていてなかなか進みませんでした
そこで、時々獣医から夕方の餌をあげるようにしたところ、2頭ともだんだんと落ち着いて餌を受け取ってくれるようになりました
注射は、肩か背中の筋肉に打つのが良さそうだということで、飼育員はアルコール綿での消毒や針金での圧迫で注射の練習も始めました。
……そして、かなり時間がかかってしまいましたが…やっとミナミが獣医1人でも肩をアルコール綿で消毒させてくれるようになりました
飼育員と獣医の2人がいる中で消毒して肩に注射練習をすることもできるようになりました
こちらはリッキーの注射練習の様子、落ち着いてます
ご褒美はリンゴジュース
大切そうに飲むリッキー
実際に健康診断の時に注射するには、実際の針刺しや検診時間に合わせた注射練習など、まだまだステップは必要ですが、頑張っていきたいと思います