みなさま、いかがお過ごしでしょうか
熱中症などにはならずにこの夏を乗り切れていることを願っております。
さて今回は暑い夏の話ではなく、キリン舎のおニューをご紹介したいと思います✨
夜の間、動物園の動物たちは私たちが通常“寝室”と呼ぶ屋内で過ごしています🏡
日中よりも長い時間過ごしてもらう部屋となることがほとんどです。
そんな寝室に新しいフィーダー(給餌器)を増設したのでご紹介したいと思います。
このような形のものです👀
設置場所は、キリンの寝室の外側
キリン視点でみるとこんな感じ🦒
あえて柵の外に設置することによってキリンの“ある”行動を引き出したいという目論見があります。
その行動とは何かというと“舌をたくさん動かす”という行動です👅
野生下のキリンは木の葉を舌で巻き取って食べます。
飼育下でも木の葉は与えていますが、量に限りがあるので“ペレット”という補助飼料などで栄養を補っています。
すると木の葉を巻き取るときのような舌を使う機会が減ってしまうと考えられます。
また、簡単に食べることができるので、本来長くかかる採食の時間が短くなってしまいます。
動物は発現されるはずの行動ができなくなると、他の行動で補おうとしたり、本来向かうべき目的とは違う場所でその行動が出てきてしまったりしてしまうことがあります。
飼育下でのキリンではそのような行動として、目的なく柵を舐めたり舌を口から出し入れしたりするような行動がみられることがあります。
そのような行動が減り、ポジティブな舌を動かす行動に変えられればと思い、今まで器にいれていただけのペレットを少し頑張らないと食べることができないフィーダーに入れるようにしました。
(コウヤが舌を伸ばして採食してくれています)
実際に使っている様子はこちら
コウヤver.
何か所か障害物を置くことで、舌の動きが複雑になるようにしています。
コウヤは新しい物もすぐ攻略してくれるので次のフィーダーを考えなければとこちらも必死です。
後日ハルカスの方にも設置したところ新規物が苦手なハルカスも使ってくれました!!(やったー)
ハルカスver.
また設置する前と設置した後で実際にキリンにどのような影響があるかを調査していくつもりです。
(夜間の様子)
エンリッチメント(動物の生活を“ゆたか”にする取り組み)はやって終わりではなくその効果について検証し評価していくことが重要です。
今回のフィーダーは、もしかしたら『あまり効果はない』という結果が得られるかもしれませんがそれも成果の1つとなります。
飼育下のキリンの生活をゆたかにするものはなんなのか今後も模索し続けていきたいと思います。
おまけ
朝放飼直後の仲睦まじい2頭🦒🦒