ニホンイシガメの観察日記① 

ニホンイシガメ

みなさんこんにちは。本日も当園のスタッフブログをチェックしていただきありがとうございます。

今日はニホンイシガメを観察した、とある記録をお届けしたいと思います。

3月28日から5月31日まで、ニホンイシガメのために当園で取り組んでいたクラウドファンディング(くわしくはこちらをごらんください)。その期間中、PRのひとつとして、現在は使用されていない展示場を使い、期間限定でニホンイシガメを展示していました。

期間限定で暮らしてくれたのは3頭のメスたちです。(写真は右と中央がメスで、一番小さいのは現在別居中のオスです)

おとなしくて控えめなニホンイシガメたちは静かに過ごすことが多く、お客様の目の前にいながら気づいてもらえないこともしょっちゅうでした。どこにいるかわかりますか?まさに「イシガメ」。

 

5月20日午前9時20分。

開園前、一番大きなメスが後肢で穴を掘っていました。産卵のための穴掘りです。産卵時はとても敏感なため静かな環境で行うのですが、この頃は遠足シーズンで毎日にぎやかだったので、穴掘りを止めてしまうだろうと思っていました。

10時20分。開園し遠足の子どもたちでにぎわう中、先ほどのメスはまだ穴を掘り続けています。産卵時は、穴を掘り始めるまでは人の気配だけでも中止してしまうことが多いのですが、ある程度進むと、逆に少々のことでは止めないモードになるようです。まるでフラスコのような深い穴を上手に掘っているので、これはもしやと観察を続けました。動画でご覧ください。

10時28分。ついに産卵が始まりました。1個産んでは後肢で卵の位置を整えてまた1個…。遠足の子どもたちと食い入るように観察を続けました。動画は5個目の卵を産んだ様子です。

産み終わったようです。すると後肢で土を埋め戻し始めます。

12時。産卵場所はきれいに隠されて、土が乾くとどこに産んだのか、まるで見分けがつきません。あとで卵を回収することも考え、慌てて穴の近くに移植ゴテを立てて目印としました。

日本の水辺や里山で、このように産卵をして命をつないできたニホンイシガメ。しかし近年は環境の破壊で生息に適した水辺や産卵できる場所が減り、ニホンイシガメの生息数減少の一因になっています。

さあ、この卵をどうしよう。こちらでのニホンイシガメの展示は期間限定である上に、自然ふ化で人知れず子ガメがふ化しても、鳥や天敵に持ち去られたり行方不明になる恐れがあるので、いずれ卵は回収する必要がありそうです。この卵たちはどうなるのでしょう。続編に続きます。

 

 

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