アナグマの穴掘り

ニホンアナグマ

みなさんこんにちは

今回のお話は「アナグマの穴掘り」について

 

天王寺動物園で飼育している「まる」と「にり」は外気温が下がる12月後半から〜2月後半に展示場に穴を掘ります。それ以外の時期は穴をあまり掘らずに地上で過ごし、日光浴をしたり小屋の中に落ち葉のベッドを作って丸まって寝ています。

 

枯れ枝の中で寄り添って日光浴体に何かが触れていると落ち着くのかな

 

 

あっ、アナグマを見たことがない方にご説明しますと
名前にクマとついていてもクマではございません分類上はイタチの仲間です。では、なぜアナグマと名付けられたのかというと。

・薮の穴に棲むことから「アナ」

・熊(クマ)に容姿や歩き方が似ているため「クマ」

これを合わせ「アナグマ」です。つまり、穴を掘る・穴の中で生活をするクマに似た動物ということから日本ではアナグマと呼ばれるようになった(動物の名前の由来は諸説ありますが…

因みにアナグマはヨーロッパやアメリカそして近くでは中国にも生息しています(ニホンアナグマとは別種です)。ドイツではアナグマのことをDachs(ダックス)と言いますがこの言葉を聞いて何か思いつくことありませんか?そう、犬種のダックスフント。このダックスとはアナグマのことでフントは犬のこと
ダックスフントは猟犬としてアナグマの巣のような狭い穴に入れるように品種改良されたという事です

 

話を広げてしまいましたがとにかく名前の通り穴で生活するだけあってアナグマは本当に穴掘りが上手ではどのような穴を掘るのか今年の1月の状況を紹介しましょう

 

夕方、展示場の掃除に入ろうとすると…

あっ…扉が…

穴掘りが本格化すると掘り出された砂が邪魔して扉が開かないこともしばしば

まる達は扉の前で穴を掘るのが一番好きなのかな?他にも展示場中央にも穴が掘られることも。

※展示場中央に穴を掘ってしまうと樹木の根が痛み、その影響で葉ぶりが悪くなり真夏の木陰が少なくなってしまいますそこで今年は展示場中央に樹木保護のためとアナグマが体を掻けるように枯れ枝を置いてありますもちろん、扉の前は穴が掘れるようにしてありますのでご心配なく

 

 

 

扉を開けると目の前に大きな穴が…

 

中を除いて見ると

奥が見えない程。

 

 

穴掘り風景

一緒に同じ所を掘り掘り

 

 

まるが穴の中にすっぽり入って掘り進めています。

にりは掘った砂を後ろの方にどけています。

穴掘りの動画はこちら

 

 

このように器用に掘り進め、あっという間に大きな穴が出来上がります。思っているよりも穴が長く続いていることもあって、まる達を寝室に収容した後に展示場を清掃するとズボッと穴を踏み抜いてしまうことあります

 

アナグマは季節変化を感じてさまざまな行動が見られる動物です。
これから気温が低くなると展示場の小屋の中や土に穴を掘って姿が見れないこともございますがご了承ください
タイミングが合えばせっせと穴を掘る姿を観察できるかもしれませんのでお楽しみに

 

 

では、また

タイトルとURLをコピーしました