本日は、タイトルにもあるとおり、ご隠居生活中のブチハイエナ・愛が、最近どんな生活をしているのかをお話ししたいと思います。
愛は、昔サバンナエリアで暮らしていたのですが、その頃から肥満体型でした。
バックヤードへ移動する時に測った体重は100kg弱、、、普通ブチハイエナの体重は大きくても70kg程度とされていることを考えると脅威の体重でした。
このままだと近い将来、足腰への負担から寝たきりに…という老後が予想されましたので、引退してからはダイエットを行っていました。
まずは分かりやすく、餌の量を減らすことを検討しましたが、それは食べるのが大好きな愛にとっては楽しみを奪うことにもつながるかも、、、ということで、よりカロリーを減らすことができ、かつ、食べる量はあんまり変えず、さらに、食べる時間を伸ばすことができる。という、一石三鳥の方法を検討し、白菜フィーダーに行きつきました。白菜フィーダーとは、白菜の芯に近い部分に少量のお肉を詰めたものです。(写真参照)
愛はとても食いしん坊なので、これまで肉をそのままあげると数秒で食べ終わってしまっていましたが、この白菜フィーダーを使うことで食事の時間を延ばしつつ、白菜を押さえたり運んだりと運動もしてくれて、ねらい通りに食べる時間も伸ばすことができました。食べ終わった後も、これまではすぐに次はないのか?!と訴えてきているような素振りがありましたが、心なしか満足げにも見えます。(担当者の希望的観測が含まれております。)
ちなみに、野生のハイエナは肉食動物ですが、何でも食べることで知られており、肉や魚、昆虫そして植物を食べることもあります。ですので、ほとんど水分である白菜はハイエナにとって安全だろうと判断しました。水分が多いおかげで、こっそり水分補給もできるという一石四鳥ともなる優れものです。
そして、本当にダイエットできているかを評価するため、体重測定に協力してもらえるようにトレーニングも行い、見事体重も測れるようになりました。
その結果、1年以上の時間をかけて、マイナス約30㎏のダイエットに成功することができました。実際に、ダイエット前と比べて愛の足取りは軽く、よく動くようになったと思います。
そんな愛は、世界的にみてもかなり高齢のハイエナです。ZIMSという世界中の動物園が動物情報を共有するアプリケーションがあるのですが、そこに登録されている100頭以上のメスの中で上位5位以内に入っています。 最近では、見ていても老いを感じるようになってきました。
目は白濁してきており、特に左目はもうあまり見えていないようです。最近、眼がかゆかったり、痛かったりすることもあるので、目薬や飲み薬で症状を緩和しています。寝ている時間も多くなり、外よりも寝室内にいたがるようになりました。
また、一時期は食べたものを吐いてしまうこともあったので、消化の負担を少しでも減らせるよう、肉を小さく切り、一日に何度かに分けて、少しずつの量を温めてから食べてもらっています。
これから愛は体の不調がもっと増えていくかもしれません。年齢的に完治が難しいかもしれませんが、少しでもご隠居生活を穏やかに暮らしていけるようにサポートを続けていきます。
これからも愛のことを温かく見守っていただければ嬉しいです。