先日、アムールトラの風が亡くなったお知らせをいたしましたが、急いでのお知らせだったため、今回のブログにて、もう少し詳しいご報告をさせていただきたいと思います。
アムールトラの風は、1月初旬から食欲が落ちたり、寝る時間が増えたりと、いろいろと体調に変化が見られ、治療を続けておりました。
それらのお話は以前のブログをご覧ください。
しかし、その治療の甲斐も空しく、3/1の夕方に死亡いたしました。
生前の検査結果から、腎臓が悪くなっていることはわかっておりましたので、解剖検査でもそれを疑っておりましたが、やはり腎臓の状態が非常に悪く、尿がうまく排出できない状態になっていました。直接的な死因は、この腎不全によるものだと考えております。
このようなご報告をすると、いつから?なぜ?という疑問を持たれる方もたくさんいらっしゃると思いますが、難しいことに解剖をしてもその答えが分かることは非常に稀です。
今回の解剖検査でも、腎臓がかなり悪化してしまったことはわかっているのですが、それがいつごろからなのか?小さい頃から少しずつ悪くなっていたのか?大人になってからなのか?ガクッと急速に悪くなったのか?など、詳しい状況を知ることはできておりません。
ほかには、食道に潰瘍がありましたので、以前ご報告していた消化管からの出血はおそらくそこから出ていたものと思われます。こちらの方は、1月下旬の処置以降は、快方に向かっていたと考えています。
1月下旬の処置後、一時は症状が緩和しているように見えたので、おそらく投薬の効果はある程度はあったのではないかと思いますが、腎臓の悪化は止められず、密かに進行していたのだと思われます。
風の闘病の様子からも、内臓の状態からも、風はかなりつらい状況の中で頑張ってくれていたと思いますが、残念な結果となってしまいました。
多くの方が回復を願ってくださっていた中、このようなご報告となり、大変申し訳ございません。
ネコ科の動物は高たんぱく食のため、腎臓が悪くなってしまうことが多いです。ただ、風はまだ若い個体でしたので、これからのネコ科動物たちの未来につなげていくためにも、大学などの研究機関にも相談して、この結果を活用していく方法などを模索しています。
以下、飼育担当者からのコメントです。
ついこの間まで元気に走り回ったり、おもちゃで遊んだり、檻越しに挨拶をしてくれたりとほんとにたくさんの思い出が走馬灯のように駆け巡ります。
風との思い出で最も苦労したことは、屋内展示場への馴致です。風くんは少し慎重な性格で、屋内展示場になかなか慣れませんでした。しかし、時間はかかってもいいから、風のペースでゆっくり進めたいと思い、様々な工夫をしたところ、ようやく奥の方まで入れるようになってくれていた矢先、体調を崩してしまいました。
最後の最後まで風は頑張ってくれましたので、今はゆっくり休んでほしいと思います。
今改めて風の偉大さを感じています。
たくさんの方から応援や励ましの声をいただき、ありがとうございます。
【3/14追記】みなさまからこれまでたくさんの献花をいただき、ありがとうございます。トラ舎の屋内展示場に、風くんがよく遊んでいたおもちゃとともに3/31頃まで飾らせていただいています。