みなさん、こんにちは
今年も日本全国で猛暑となっておりますが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか
夏が苦手な方も多いと思いますが、生き物によってはこの暑い夏に元気になる種類もいます。今回は夏に最も活発になる「小さな水中のハンター」のお話。
これから書く内容はズバリ水生昆虫についてです。
そのため、昆虫や卵の写真が出てきます。苦手な方は気を付けて下さい
それでは、今回もブログにお付き合いのほど宜しくお願い致します
さて、みなさんは水生昆虫と聞くと何の種を思い浮かべますか?
年齢や生まれ育った場所によって思いつく水生昆虫が異なると思いますが最も多くの方が身近と感じるのは「アメンボ」や「ヤゴ」でしょう。そもそも水生昆虫とは一生或いは幼虫などの一定の時期に水中や水面で生活をする昆虫と定義されています。
水面で生活するアメンボ
今回は身近に居るのに水生昆虫の中でも認知度の低い(?)種についてご紹介します。
それはこちら
本日の主役
あっ!タガメ!と思ったあなた。
ぶっー!!違います
これはコオイムシです。コオイムシは日本では本州、四国、九州の水田や池に生息しており、中国や朝鮮半島などにも生息している体長2〜3cm程度の小さな水生カメムシです。食性は肉食で獲物を捕らえると吻を突き刺して体液を吸います。水生カメムシと聞いて違和感を持った方もいると思いますが、実はカメムシの仲間は世界中で多彩に進化を遂げておりタガメやミズカマキリなども水生カメムシです。
コオイムシは地域によっては比較的普通に見られる生き物ですがなぜか認知度が低いです。それにしても、この名前少し気になりませんか?と、いうことでクイズです。コオイムシを漢字で書くと由来がわかります。さて次の①〜④のどれでしょうか?
- 好意虫
↑何かがとても好きなのか?
- 高位虫
↑位の高い虫なのか?
- 更衣虫
↑着替えるのか?
- 子負い虫
↑子供を背負うのか?
正解はこちらの写真↓
正解は④の背中に子(卵)を背負うことから「子負い虫」です。矢印でさしているのが卵で、背負っているオスは頭を下にしています。集合体恐怖症の友人はこの写真を見て悲鳴をあげていました
この写真は6月に撮影したもので、春から夏にかけてメスは産卵シーズンとなります。オスがメスに求愛をし、その想いが伝わるとオスの背中にメスが卵を生みつけます。オスは卵を背負うとあまり餌を食べなくなり、外敵から卵を守るため警戒心が強くなります。もしかしたら、食事中は隙が多くなるなどの理由で餌はあまり食べなくなるのかもしれません(知らんけど)。オスは卵が孵化するまで背中を水面から出して酸素を送ります。ただ、乾燥すると卵は死んでしまうので適度に入水します。これをひたすら繰り返して孵化を待ちます。気温が高い場合は2週間程度で孵化をします。
無事に孵化した様子。
私は初めてコオイムシを繁殖させたので、生まれた時にはすでにフォルムがコオイムシなことに感動しました
このベビー達は生まれてすぐに1度脱皮をします。
脱皮直後は白いです。時間が経つと体が固まり茶色になります。
最初の脱皮殻。この大きさは…
なんと5mm!
めちゃめちゃ小さいですよね。
こんなに小さいのですが、すでに優秀なハンター。餌となる小さな生き物を与えると見事に捕らえていました。その様子はこちら↓
(画像をクリックすると再生されます)
動画で見ると大きく見えますがもう一度言いますが、体長5mmです。
私の手の中の出来事
赤虫が大きく見えますね。
このようにせっせと自分で獲物を捕まえて何度も脱皮を重ねると成虫になります。基本は水中で獲物をじーっと待っていますが、時には自分から積極的に襲い掛かることもあります。小さいですがまさに「水中のハンター」といった感じですね
コオイムシは7月からアイファー地下1階日本の里エリア前で展示をしています。非常に小さくてなかなか見つけることが難しいですが、野生ではもっと見つけるのに苦労します
是非とも水槽内を隈なく探して生物を見つける目を養って下さい
もし、見つけられなかったら近くにいるスタッフにお声掛け下さい
それでは、今日はこのへんで
おおきに〜
次回、コオイムシの隣にウォータースコーピオン現る!
お楽しみに〜