キンカジュー・ジュリアが亡くなりました。

本日、夜行性動物舎のバックヤードで暮らしていたキンカジューのジュリアが亡くなりました。

生まれた年は不明ですが、1992年に天王寺動物園にやってきたジュリア。
バックヤードで長く治療していましたが、本日の夕方に亡くなりました。

朝には餌も完食していて突然のことのように感じますが、何度も調子を崩しては回復して、本当によく頑張ったと思います。

一時は寝たままゴロゴロと移動することしかできなくなっていましたが、それでも活発に動いていたのがリハビリになったのか、最近はふらつきながらも立ち上がって歩くようになり、スタッフ達を驚かせていました。

（勢いが良すぎてぶれてます…）

しかし、冬ごろから痰がからむようになり、食欲も波が大きくなりました。
それでもネブライザーや皮下補液などを定期的に行い、餌をペーストにして与えたりしているうちに徐々に回復し、最近は固形の餌もよく食べてとても活発に動いていました。
みんなの心配をよそに、体調を崩してもあまり苦しそうな様子を見せなかったジュリアらしい最後だと感じます。

バックヤードでは常に飼育担当者から見えるところで暮らし、ジュリアがゴソゴソと動くたびにのぞいていたので、夜行性動物舎の中で”もっとも気にされていた”存在でした。
「おばあちゃんであるジュリアには、少しでも快適な暮らしをと考え、様々なことに取り組みました。夜行性動物舎のバックヤードが寂しくなってしまいますが、ジュリアが教えてくれたことを糧に、現在暮らしている2頭のキンカジューたちの生活が良くなり、少しでも長く生活してもらえるように努めていきます。（担当者談）」

前担当者からもコメントが届きました。
「5月15日の夕方、キンカジュー、ジュリアが亡くなりました。
生前にはたくさんの方から励ましのお言葉をいただきありがとうございました。
ジュリアが体調を崩してから約一年半、その間何回か危ない時期も超えてきました。
もともと夜行性の動物なので、私が出勤する頃は寝ています。毎日、朝一番に部屋の電気をつけてジュリアのお腹が動いていることを確認するまでドキドキでした。

日に日にジュリアの手足の動きは不自由になりうまく動かず、餌も手で持って食べることさえできなくなっていきました。それでもジュリアは、不自由な手を一生懸命に使い、用意した餌も次の日までには完食していました。そんな姿見ていて、ジュリアは一生懸命生きようとしているんだなあ、と思いました。
私たちは延命治療はしておりません。彼女が生きようとしてる限り動物園で働くスタッフとしてするべきことを行なってきただけです。