「○○の日」にちなんだガイドを実施しました

いつもスタッフブログをご覧いただきありがとうございます。

みなさんは「○○の日」と聞いて何の日を思い浮かべましたか?
一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、動物たちにちなんだ「○○の日」も多く、動物園ではその日にちなんでガイドを行うこともあります。

先月9月1日は「国際霊長類の日」という記念日でした。これは、霊長類(サルの仲間)の特徴や彼らが野生でおかれている現状を知り、サルのためにできることを多くの人に考えていただく機会として制定されています。そこで、当日天王寺動物園のサル舎前にて「国際霊長類の日」の目的をふまえた特別ガイドを実施しました。

最初に国際霊長類の日について紹介してから、現在サル舎で飼育しているサルを順番に紹介していきました。サルの種類や生息地、特徴および飼育個体に関して説明をしているあいだ、ご覧になられている皆様には大変興味と関心を持っていただいている様子でうれしく思いました。

ガイドの様子

サルを全頭紹介したあとに、現在野生のサルの多くが絶滅の危機におちいっている現状についてお話をしました。サルの仲間の数が減少している原因として、森林など生息地の大規模な開発をはじめ複数の原因がありますが、今回はそのなかで「ペットとしてサルを飼うこと」に関してお話しました。

ペットとして飼育される爬虫類や鳥、犬や猫以外の哺乳類全般を「エキゾチックアニマル」といい、日本では20年ほど前からそういった動物を飼うことの人気が高まっています。天王寺動物園で飼育されているショウガラゴやスローロリス、フサオマキザルなどサルの仲間もペットとして流通することがあります。もの珍しさやかわいらしい外見から飼ってみたいと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ご家庭でサルを飼うことはとても大変なことです。自由に動き回れる広い空間、種類に合わせた栄養バランスの良い食事、鳴き声やにおい、サル独自の接し方などクリアするべき関門が多くて、健康にお世話をすることが難しい動物であることを説明させていただきました。

動物園でサルに与える様々な餌の種類【一例】

サルを健やかに飼育するには、自由に動き回る空間が必要です

また、ペットとして欲しがる人が多くなることで野生個体の乱獲をまねいたり、日本へ密輸入されたりするリスクも高くなります。実際、過去にペットとして人気があったスローロリスは日本へ大量に密輸されて、多くの個体が命を落としました。ペット目的の密輸は現在も毎年10件前後摘発されていて、その中にサルの仲間も含まれています。

個性的でユニークなサルを見て飼ってみたいと思った際には、サルを飼って幸せにしてあげられるか、サルにとっての幸せとはなにか、その幸せを守るために私たち各自でなにができるか。そういったことを多くの方に考えていただきたいと思い、そのきっかけを作る場として今回のガイドを実施いたしました。

これからも機会があれば、ガイドやブログを通して動物の情報や魅力を発信していくように努めたいと思います。

9月10月は他にも、

9月21日(土) 国際レッサーパンダの日(毎年9月の第3土曜日)
10月24日(木) 国際テナガザルの日
10月25日(金) 国際キツネザルの日(毎年10月の最終金曜日)

といった○○の日があります。国際レッサーパンダの日は当日にガイドを実施したので、その様子も後日紹介しますね

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