大阪産ニホンイシガメへのカワエビの給餌

みなさんこんにちは

アイファー(爬虫類生態館)よりニホンイシガメのお便りが届きましたので紹介します

ニホンイシガメは日本固有のカメです

近年、野生のニホンイシガメの個体数は徐々に減少しています。その原因は、外来種のミシシッピアカミミガメとの種間競争に圧倒されたり高度経済成長期以降の人工的な環境変化に適応できず死亡したりと、様々です

後者の一例として、以下の事例が挙げられます。

三重県北部のため池と水田を結ぶニホンイシガメの移動経路上に道路と側溝が新設され、結果として500匹いた個体は4分の1までに個体数を減らした(矢部,2014)

アイファーでは日本固有の爬虫類や魚類の展示と保護に取り組みたいと考えており、大阪産ニホンイシガメを対象に、展示および繁殖を計画しています。この計画を実行するためには、現在飼育している個体を健康な状態で長期飼養することが重要であり、元気に育つことを願いながら飼育業務にあたっています。

ニホンイシガメは屋外のバックヤード池で飼育されており、現在はカワエビと水生ガメ用ペレットを餌として与えています。

↓カワエビ

カワエビは好物であり、カワエビの存在を感知すると、カメは眠っていても、日光浴をしていても、すぐに水に潜りカワエビが与えられるのを待っています

カワエビは水に撒くとすぐに沈み、カメのカワエビをめぐる争いが始まります。

体の大きな個体は、カワエビを独り占めにしパクパク食べ、小さな個体は自分よりも大きな個体が見ていない隙にカワエビを捕え遠くまで運ぶ。体の大きさが同じくらいの個体同士は、時に一匹のカワエビを同時に咥え引っ張りっこをする。

↓カワエビを食べるニホンイシガメ

このようなカメの餌をめぐる競争と行動は健康状態を示す重要な情報となり、普段と異なる行動をする個体を発見した場合には、一時的に隔離して飼育を行います。ニホンイシガメが再びバックヤード池に戻れるように獣医による診察なども行います。

雨の降る8月13日、カワエビを与えると、ニホンイシガメは元気にカワエビ争奪戦をしていました。生息域外保全の第一歩をアイファー担当飼育員はカメとともに歩みます。

生息域外保全:絶滅危惧種を安全な施設で保護し、それらを増やすことによって絶滅を回避する方法

引用文献

矢部隆. 2014. 日本のカメが直面している生息の危機-持続可能な農村地域の構築に向けて―. ワイルドライフフォーラム, 18; 3-5

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