スタッフブログをご覧のみなさま、こんにちは!
本日はマレーグマ「マーサ」の体重測定についてのお話です
マーサは採血・内腿への筋肉注射は飼育員と獣医と一緒に練習を重ね、麻酔をせずトレーニングで実施することができています。
この秋から、体重測定も行えるように練習を開始していました。
採血や注射はバックヤードにある寝室で行っていましたが、体重を測るためには寝室は少し勝手が悪く、展示場で測定することになりました。
↓マレーグマの展示場
この展示場で体重測定をするために2つの問題がありました。
1つめは、どこに体重計を置くか問題
さきほどの写真を見て分かるように、展示場には平らな場所が少ないのです。
割と平らな手前側は目の前にモート(堀)があり、万が一マーサが「えいっ」と押すと体重計がモートに落ちてしまいます…。
さらに、体重計を固定する仕掛けもしづらい
色々と考えた結果、プールの手前の段差の上に体重計を置くことにしました。
↓ここ
体重計はAmazonほしいものリストで送っていただいた、ワラビーたちの体重測定でも使用している大型犬用のものを使います。
(小さくない?と思いますよねでも大丈夫!)
接地面がガタガタだったので、コンクリートで均したり、ブロックを足して少し面積を広げました。
↓バックヤード側から見た図(冬季はプールの水を抜いています)
体重計にも少し工夫して、マーサが乗ったり、万が一押しても簡単には動かないようにしています。
↓体重計の大きさと分厚さに加工した板を置いて練習
ひとまず、これで1つ目の問題はクリア~~
続いて2つめ、モート(堀)越しにどうやってトレーニングするか問題
モートは幅がおよそ2メートルあります。
どうやってマーサを体重計の場所に誘導し、強化子(ご褒美)は何にしてどうやってマーサに渡すかが課題です
まず、体重計の場所への誘導ですが、ターゲットという道具を使います。
トレーニングにはよく用いられる道具で、簡単にいうと目印のようなものです。
↓マーラのムギのトレーニングでも使っていました
ターゲットにタッチすることを動物に覚えてもらって、目的の場所まで動物を誘導します。
今回の場合はモートがあるということで、超ながーいターゲットを作りました!
先端に巻いたロープ(マーサがかじっても解けないようにしています)が目印です!(ちなみに、その辺にあった竹で作りました・・・)
これでモート越しでもマーサを誘導できます
次に強化子ですが、こちらは他の動物園のマレーグマのトレーニングを参考にさせていただきました
寝室で行うトレーニングでは、柵越しにすぐマーサの口に入れられるのでソーセージを使っています。
展示場ではモート越しにソーセージを放り投げる…?のではなく、秘密道具を使います!
じゃじゃん!!
霧吹きボトルです!
中に入っているのは水ではなく、マーサの大好きなはちみつを水で薄めたジュースなんです
マーサがターゲットにタッチしたら、この霧吹きを使ってモート越しにはちみつジュースを飲んでもらいます!
このはちみつジュースを飲む瞬間が思わずふふっと笑ってしまう絵になるのですが、それは第二弾で紹介しますね
次回もお楽しみに
(いや、マーサの体重何㎏なん?と思ったみなさま。気長にお付き合いください)
おまけ
朝日を浴びてまどろむマーサ