みなさんこんにちは。天王寺動物園日本産動物宣伝部ムジナ担当(自称)のつっちーです
今日は季節のお話しをしてから、タヌキとアナグマのお話しです。
みなさんは七十二候(しちじゅうにこう)をご存知でしょうか?七十二候とは1年間を72の季節に分けた日本独自のもの。季節ごとの生き物や天候などに72の時候の名前がついており、自然の変化を知ることで季節の移り変わりを感じることができます。
このブログの書き始めは5月23日。今年の5月21日から25日は七十二侯によると「蚕子起桑(かいこおきてくわをはむ)」となります。意味は蚕が活動を始め、餌となる桑の葉を食べる始める頃だそうです。蚕って?と思ったあなた。蚕とは衣類などに使用される絹(シルク)の原料である生糸を作る昆虫の事です。蚕が作る繭は細い糸でできており、その細い糸を紡いだものが絹糸です。蚕を飼育し生糸を取るのを養蚕業といい昔の日本経済を支えた重要なものでした。そのため、七十二候のうちの一つに「蚕子起桑」があります。
こちらの白い幼虫が蚕(カイコ)です
さて、ここからが本題です。
その蚕の餌が桑という植物。
その桑がこちら
この桑は園内に植えてあります(蚕の餌用としてではありませんよ)
写真を見て頂くとお分かりの通り現在は実がたわわにみのっています♪♪
この実は黒っぽくなると食べごろです
この実を野生のタヌキとアナグマが食べるそうです。
ということで、当園で飼育している個体にもあげました。
クンクン嗅ぐタヌキのととん
ぱくっ もぐもぐ
食べ終わると「他にもないの?」と言わんばかりに見つめられました
お次は4月18日に夜行性舎から引っ越してきたアナグマのむむ
フンフンと鼻息が荒いむむ
むしゃむしゃと一瞬で食べました。
そして、桑の他にもこの植物の実も旬を迎えています
じゃーん枇杷(びわ)
枇杷も園内で実っていますが、熟れた瞬間に野鳥が食べてしまうので早めにキープしておきます。
数日で熟れたのであげてみました(食べる勢いが凄くてピンボケ)
桑の実よりも反応がよかったです。
器用に足を使って種を出していました(初めて見たのでちょっと驚き!)
むむも飛びついて食べています。
※補足:写真は撮れませんでしたがタヌキのくりとん、ぽん、さん、りん、アナグマのぽに、まる、にりにも桑の実と枇杷をあげました
枇杷や柿などが旬を迎える野生のアナグマは木に登ってまで食べるそうです。普段は地面にいることが多い動物がそこまでするので貴重な食料なのでしょう。旬な物は美味しいことを良くわかっていますね。四季のある日本では季節によって花や実をつける植物、現れる昆虫などが変化するのでそれを食料として狙う動物は行動が変化するので興味深いです。皆さんも身の回りの生き物から季節の微妙な変化を感じてみてください。
それでは、今日はこのへんで。
おおきに〜