ニホンイシガメの観察日記②

ニホンイシガメ
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ニホンイシガメの観察日記②

 

みなさんこんにちは。本日も当園のスタッフブログをチェックしていただきありがとうございます。

今日もニホンイシガメを観察した記録の続きをお届けしたいと思います。

観察日記①はこちらをご覧ください。

5月20日にニホンイシガメのメスが土の中で産卵した卵。このままで自然ふ化させると、展示場内が広すぎて行方不明になったり、構造上、小動物や野鳥が侵入して持ち去られる可能性が高いため、掘り出して人工ふ化を試みることになりました。

実は人工ふ化に切り替える目的がもう一つありました。みなさん、カメの性別はどうやって決まるかご存じですか?

カメの種類によって違うのですが、ニホンイシガメは卵が育つ環境(土の中)の温度によって性別が決まるのです。卵のまわりの温度が28℃以下の低温でオスになり、30℃以上の高温でメスになると言われています。

今回はその実証をしたいので、ふ化温度をきちんと設定できるように爬虫類生態館IFAR担当よりふ卵器をお借りしました。

6月15日。準備も完了し、いよいよ卵の掘り出しの日がきました。研究では産卵後のある一定期間内の温度や日数で性別が決まるとのことなので、そろそろ性別が決まるかなという頃合いに掘り出すことにしました。

すっかり固くなった地面を手で慎重に掘ります。(後ほど動画をご覧いただきます)カメの卵の殻はとても薄く、力加減をまちがうと簡単に割れてしまいます。また、無精卵や途中で死んだ中止卵なら傷んで変質していることでしょう。緊張の作業ですが産卵時の様子を見ていたので、おおよその位置を覚えていたのが幸いでした。

固い土の中から真っ白の卵殻が見えた瞬間、私たちは歓喜しました。一目見て、健全に生きている卵の色だったのです。

割れやすいだけではありません。爬虫類の卵は鳥の卵と違い、転がして上下を替えてしまうと中の胚が死んでしまうのです。卵のてっぺんに鉛筆で印をつけ、上下が逆にならないよう慎重に回収します。

合計5個の卵を回収しました。1個ずつ大きさや重さを計測し、ふ卵器に入れました。今回はメスの発生を目標とし、孵卵器内の温度を31℃に設定しました。

それでは、一連の流れを動画にまとめましたので、ご覧ください。

さあ、5個の卵たちはどうなるのでしょうか。このつづきはまたの機会に。

 

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