楽楽のヘルニア手術

みなさん、こんにちは
今回は、1月末に行った、チュウゴクオオカミ・楽楽(ララ)のヘルニア(疑い)の確定診断、その後の手術について報告します。

昨年11月に、楽楽に麻酔をかけて検査した時のようすはこちらの記事をご覧ください。

11月の検査の結果、ヘルニア(疑い)と診断された楽楽の臀部の腫瘤について、天王寺動物園と連携協定を結んでいる大阪府立大学 獣医臨床センターに協力を依頼し、軟部組織外科診療科スタッフチーム(※)に来園してもらい、天王寺動物園での診断、そしてその結果によっては手術を行うことになりました。

楽楽には麻酔をかけてひと時眠ってもらい
(吸入麻酔のため気管挿管しています)
ララ麻酔

この腫瘤を検査しました。
(楽楽のおしり
inguinal hernia

今回の診断にあたっては、装置更新の際の画像評価のためにキヤノン医療用品株式会社 西日本支店からお借りしていた、超音波診断装置のハイエンドモデルである”Aplio a Verifia V”のデモ機を使用させていただき、術前超音波検査を行いました。

その結果、外陰部横に確認された膨らみは、上行性に辿ることができ、鼠径部にできたヘルニア孔から腹腔内容物が飛び出した鼠経ヘルニアであると診断されました。
また、当初片側性と思われていましたが、両側性に同様のヘルニアが確認されました。

ララエコー検査

鼠経ヘルニアとは?
腹腔内容物(腸管や脂肪)が、腹壁に生じた(又は生来有する)欠損部(脆弱な部分)を通じて飛び出す状態のことです。

幸い内容物は腸管などではなく脂肪でしたが還納が難しいと判断されたので、その切除とヘルニア孔を閉鎖する修復手術の適用となりました。

ララ手術

楽楽は術後管理のため病院に一泊してもらいましたが、翌日にはオオカミ舎に戻り普段どおりの生活を送っています。
らら


大阪府立大学獣医臨床センター軟部組織外科診療科
科長/教授 秋吉秀保氏
副科長/特任助教 平田翔吾氏

大阪府立大学獣医臨床センター動物看護師
藤本知美さん、大西里加子さん、草竹詩央里さん

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