二ホンジカのアトムが亡くなりました

本日8月14日の夕方に二ホンジカのアトムが死亡しました。

アトムは2020年6月22日に天王寺動物園にやってきました。正確な年齢は分かりませんが、16歳以上であることが分かっています。

↓天王寺動物園に来てまもないアトム(写真左)

二ホンジカの寿命は野生化では12~13年、飼育下では20年前後と言われており、アトムは高齢と言えます。

高齢による歯のすり減りが原因なのか、餌を食べるときによく口からボロボロとこぼれ落ちることがあり、瘦せていたことから、今年の4月に麻酔をかけて口の中のチェックを行い、上顎の臼歯が欠損していることが分かりました。そこで、食べやすいように餌を細かく刻んだり、硬いものはふやかして与える等の工夫をしていました。

また、健康で過ごせる時間が少しでも長くなるように、飼育員と一緒に健康管理(体に触ったり体重を測ったり)の練習も行っていました。

↓体重測定の練習の様子

警戒心の強い動物ですが、飼育員との練習を重ねるごとに、自ら飼育員に近づいてきてくれるようになりました。

↓柵の外にいる飼育員を見るアトム

今年のGWのYouTubeライブ配信にも登場したり、ブログにも登場していて記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

厚くなってきた7月中旬頃からじっとしている様子が増え、8月はじめから呼吸が荒く、餌をこぼしたりすることが増えていました。暑さ対策をしたり、薬を混ぜた流動食を与えたりしていましたが、昨日8月13日の朝頃から座り込んだまま立ち上がることができなくなりました。

一度は立ち上がって歩き出す様子もみられ、点滴や注射などの処置を行いましたが、本日8月14日夕方に死亡しました。

解剖検査を行ったところ、胸膜炎および重度の肺炎が認められ、これが死因となった可能性が高いと思われます。

また、やはり歯の状態も良くなく、少し大きめの草や葉は十分にすり潰せていなかったと思われました。

天王寺動物園にいる他の3頭の二ホンジカも高齢であるため、今後も餌の工夫が必要になります。

アトムの死を無駄にせず、今後の動物の飼育に活かしていきます。

これまでアトムを可愛がっていただき、ありがとうございました。

 

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