二ホンアナグマの引っ越し

ニホンアナグマ

スタッフブログをご覧のみなさま、こんにちは!
今日は「二ホンアナグマ」についてのお話です

引っ越しといっても、他の動物園に移動したわけではありません。

天王寺動物園には4頭のアナグマがいて、展示場が2か所(小型動物舎・夜行性動物舎)あります。
今回はこの展示場間の引っ越しをしました!

引っ越しした個体は2頭
小型動物舎の「ぽに」→夜行性動物舎へ

夜行性動物舎の「むむ」→小型動物舎へ

園内での引っ越しといっても、先日紹介したヒツジやヤギたちのように歩いて移動してもらうことは難しく、それなりの準備が必要です。

小型動物舎と夜行性動物舎の担当者はこの移動のために、打ち合わせを重ね、動物のトレーニングも実施してきました!

↑引っ越し前日、打ち合わせをしていたのでカメラを向けると、急によそよそしくなる担当者2名(笑)

2021年6月、引っ越し方法を担当者同士で検討し、今回は輸送箱に動物を収容して移動することとなりました。

アナグマに自ら輸送箱に入ってもらうことを目標とし、トレーニング経験豊富なスタッフも交え、進捗や振り返りを共有しながら準備を進めてきました

引っ越しは2022年3月予定。
この間、2頭がどんな風にトレーニングをしてきたのか見ていきましょう!

まずは小型動物舎「ぽに」

↓トレーニングを始めた頃の「ぽに」

輸送箱の中ではなく上に乗っています
ただ、上に乗ってくれるということは、輸送箱にはある程度なれてくれているようです

これまで輸送箱に入ったことがなかったぽにですが、トレーニングが進むにつれ中に入れるように
入ることをためらうこともありましたが、その時は少しレベルを下げ、また徐々にあげて、という風に、ぽにの状況に合わせながらトレーニングしてきました。

が!!!

引っ越しが目の前に迫った2022年2月、ぽにが輸送箱に入ることを強くためらうように
担当飼育員さんは「正直かなり焦った…」とのことでしたが、先輩の「ぽにの状態に合わせて移動しよう。移動日はずれても大丈夫」という助言のもと4月中旬に引っ越しを行いました

本番の様子がこちら↓
奥に見える輸送箱に入ろうとする「ぽに」&緊張で顔が怖い担当飼育員さん(笑)
果たしてぽには輸送箱に入ってくれるのか…!?


ぽにが入ってくれた!!すかさず好物のお肉を食べてもらいます
さぁ、あとは扉を閉めるだけ!


扉を閉めかけたその時、ぽにはするっと外へ…
担当飼育員さん、思わず「あっ」と声が出たそうです


今日はもう無理か…という考えが頭をよぎったそうですが、
ぽにがもう一度輸送箱に入ってくれました!


扉を閉めて、収容完了です

一度は外に出てしまったぽにですが、その後すぐに入りなおしてくれたのは日頃の練習のおかげで輸送箱になれていてくれたからですね

一方の夜行性動物舎のむむはというと…

実は、以前から体重測定を行うために輸送箱に入るトレーニングを行っていました
はじめは分解した輸送箱の一部を展示場に置き、その上でごはんを食べられるようになったら次のパーツを組みたて、そこでもごはんが食べられたらパーツを追加、という小さなステップを重ねました。
↓はじめは一部だけ

↓ちょっとずつ組み立てていきます

(むむも上に乗ってる…!!)

最後に扉を取り付けましたが、はじめは扉の代わりにタオルで覆ってみるなどを試して無事に閉められるようになりました!最終的には、むむが入った輸送箱を運んでも中で落ち着いていられるようになり、輸送箱ごと体重計に乗せて測定をしていました!
↓タオルを取り付けた輸送箱に入るむむ
このトレーニングのおかげで、体重測定だけではなく、日光浴のための外の獣舎への移動がスムーズに行えるようになりました

いざ本番の時、スムーズに入るか少しハラハラしながら見守っていましたが、ものの10秒たらずで輸送箱に入り、その後の移動もごはんに夢中という落ち着きっぷりでした

その後は台車と車両で移動し、それぞれが新しい獣舎へ
しばらく様子を観察しました。

2頭とも展示場内を嗅ぎまわり、マーキングや穴掘り等の行動も見られました。
↓ぽに

↓むむ

移動後、特に不安な様子もなく、無事に2頭の引っ越しが完了しました!
天王寺動物園にご来園の際は、「ぽに」と「むむ」の様子をぜひ観察してみてください

おまけ
ホッキョクグマ舎にクロクマ現る!!?

いっぱい遊んで泥んこになったホッキョクグマ「ホウちゃん」でした

 

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