アメリカドクトカゲの皮革標本を作りました

~前回のあらすじ~

残念ながら死亡してしまったアメリカドクトカゲの頭骨標本の作製を開始。

硬すぎるヒフ、働き者のウジ虫、撮り足りなかった写真など数多の困難をくぐり抜け無事に標本が完成。

しかし、傍らでバラバラになった皮骨を見て思うのであった。

このままおしまいでいいのだろうか、と。

(頭骨標本の製作については前回のブログ「アメリカドクトカゲの頭骨標本を作りました」をご覧ください。)

 

と、いうわけで今回のブログはアメリカドクトカゲの皮をなめしていく様子を紹介していきます。

⇩アメリカドクトカゲ

「鞣(なめ)す」とは、簡単に言うと動物の「皮」を道具として利用できる「革」へと加工することです。

本来動物の皮は時間の経過とともに乾燥して硬くなり、やがて腐敗していきます。そこで、皮の主成分であるタンパク質を変質させる処理を行うことで耐久性や保存性のある革へと変化させます。

ドクトカゲの皮も、なめすことで皮骨のゴツゴツした感じをそのまま保存できないだろうかと思い挑戦してみました。

獣医さんから冷凍庫に保管していたドクトカゲの死体を預かり、解凍して皮を剝いでいきます。

すでに解剖が行われていたため、お腹が開かれている状態から開始しました。

頭部のヒフとは違って柔軟性もあり、皮下組織にも簡単に刃が入っていくので頭骨標本作製時と比べるとスムーズに剝ぎ取ることができました。

残っている筋肉や脂肪を取り除いていきます。

ナイフや包丁を使いたいところですが、残しておきたい皮の部分も一緒に削ってしまうと困るので極力手でむしり取っていきました。
粗方取り除いたら、油分を落とすため食器用洗剤で軽く手洗いして下準備が完了です。

これからこの真っ白な皮の部分を保存可能な革へと変化させるための処理を行います。

処理と言っても難しいことはなく「なめし液」というものに浸けておくだけです。

なめし液にはいくつか種類があるそうなのですが、今回はミョウバンなめしというやり方でやってみることに。

食塩とミョウバンを水に溶かしただけのものなので見た目に面白いものではありませんが、こうして時々袋を揉んでなめし液を袋内で循環させながら1週間ほど置いておきます。

1週間後、袋から出してみると明らかな変化がありました。

見た目ではわかりにくいかもしれませんが、浸ける前はツルツルしていた白い部分が、浸けた後は何とも形容し難いのですが少しフカフカしてるというか何とも奇妙な手触りになっていました。

後は乾燥させていくだけです。

皮(この段階でもう革なのかも)は乾燥すると縮んでしまうので、画鋲でしっかり張った状態で陰干しします。

2日経って乾いた感じがしたので外してみたのですが、裏側はまだ水気を含んでいたので、裏返してさらに干していきます。

おそらくもっと早くに乾ききっていたと思いますが、色々あって1週間も放置することになってしまいました。

完全に乾いたので画鋲を外します。

中央が白っぽくてザラザラしているのは、皮下組織が残っていたり十分液に使っていなかったりしたからでしょうか。

感触は厚紙みたいな感じで、丸めることはできますが折り曲げることは難しそうです。

いわゆる革製品のような柔軟性を持たせるためには、ここから少し湿らせて叩いたり、揉んだりしてまた乾かして…という作業を繰り返すようですが、今回は標本として保管するためこれにて完成ということにしました。

頭骨標本の作製も皮をなめしたのも単なる趣味で行ったものではなく、完成したものは来園された方に実際に見て触れてもらって初めて意味を持つと思っています。

頭骨標本も皮革標本も頑丈なものではないのでいつでも触れるように展示するのは難しいですが、何かのイベントの際に披露できればと考えているので、その時を楽しみにしていてください。

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