みなさんこんにちは
いつもブログをご覧いただきありがとうございます
☆1日目☆ 世界サイの日と天王寺動物園のサイについて
さぁ、やっと6日目になりました。
全てのサイについて細かくお話しすることは難しいので、アフリカのサイ(クロサイ・シロサイ)のお話を中心にさせていただきます。
かつて、1960年代には、クロサイはアフリカに広く生息していて、その数は10万頭もいたそうです。
それが、スポーツハンティングや密猟による犠牲の末、恐ろしいほどに数を減らし、一時は、2400頭程度にまで減ってしまいました。
10万頭が2400頭、、、ほんまに?!って感じですよね。
そこから保護が進み、2018年には5,630頭にまで毎年緩やかに増加をしているとのことです。
同じくアフリカに暮らすシロサイはというと、19世紀には100頭未満にまで減ってしまったミナミシロサイという亜種が、100年の年月をかけて2万頭を超えるまでの回復を見せたとのことです。
この回復すごいですよね!!
しかしながら、2012年から2017年にかけて1万8,000頭と15%もの減少を見せているため、まだまだ安心はできません。
また、シロサイの一亜種であったキタシロサイは、2018年に最後のオスが死亡し、絶滅を余儀なくされています。
また、シロサイの一亜種であったキタシロサイは、2018年に最後のオスが死亡し、絶滅を余儀なくされています。
数が減った主な原因は、やはり密猟です。
1990年〜2007年までの間、アフリカで起きたサイの密猟(シロサイ・クロサイを合わせて)は年間数十頭でした。
2008年からぐんぐん増え、2014年には年間1,215頭のサイがアフリカだけで犠牲になったと記録されています。
この背景には、サイの角の売買の最も大きな市場であったベトナムを中心としたアジアで、サイの角が精力剤や癌の薬になるとして流行してしまい、需要が大きくなったこと。
また、密猟グループが高度に組織化され、密猟にヘリコプターや暗視ゴーグル、消音器などが利用されるようになり、発見が難しくなったことがあるそうです。
↓WWFのデータを表にさせていただきました。
2015年以降は、さらに強化した取締りの甲斐があって、数はやや減少の傾向だったようですが、
2015年以降は、さらに強化した取締りの甲斐があって、数はやや減少の傾向だったようですが、
そのバランスが今年2020年に大きくバランスを崩したとされています。
原因は、世界を揺るがすことになった新型コロナウイルスです。
アフリカのサイが約8割生息する南アフリカでは新型コロナウイルスの影響でロックダウンされ、
海外からの旅行客をターゲットとしたサファリ観光による収益が激減。
その結果、保護区のレンジャーなど保全に関わる人たちを解雇するしかなく、パトロールが非常に手薄になっているそうなのです。
アフリカのサイたちを取り巻く環境だけでなく、アジアでも同じことが起きているそうです。
また、アジアの一部では、サイの角があればこのウイルスにも打ち勝つことができるのではないかと噂され、需要が高まっているということもあるそうです。
前にもお話しした通り、サイの角は、ケラチンというタンパク質でできているために、自分たちの髪の毛や爪を食べるのと何ら変わりません。
でも今も、サイの角が素晴らしい薬になると信じる人は大勢いるのです。
今はこのような問題でベトナムの名前が挙がることも多いようですが、
かつて、1970年頃〜1980年まで、日本は世界最大の野生動物消費大国と言われていました。
象牙の印鑑や毛皮のコートなどがまさに代表例と思われます。
今から40年前の1980年、ワシントン条約加盟国となった日本は規制を強化して、変わってきたそうです。
そんなに遠い昔の話でもありません。
が、昨日もお話しした通り、今はペット大国となっている事実もあります。
そんな日本で、今私たちにできることは何でしょうか?
動物園だけでなく、みなさま一人一人が、これを機に、自分にも何かできることはないか、と考えていただけると幸いです。
私たち動物園としても、この世界サイの日に限らず、様々な形で野生動物のことも発信し続けていきたいと思います。