抜け殻のお洗濯

アイファー(爬虫類生態館)

突然ですが、みなさんはこんな状態のヘビを見たことがありますか?

こちらは虫類生態館アイファーで展示しているインドニシキヘビなのですが、体全体がくすんでいて目は真っ白になっています。

ときどき、「ヘビ調子悪そうやで」とか「あれ死んでない!?」などお声掛けいただくことがあるのですが、実はこれは脱皮の兆候でむしろ健康的であるとさえ言えます。

脱皮直前になると、これから剥がれ落ちる古い角質層と新しい角質層の間に隙間ができるので、くすんだような色合いになるのです。

ヘビにはまぶたがない代わりに目が透明なウロコで覆われており、目も同様に白っぽくなります。

脱皮が始まると、まるで靴下を裏返しにして脱ぐように鼻先から尻尾の先まで全身丸ごと古い皮膚を脱ぎ捨てます。

脱皮したあとのヘビの抜け殻は一枚に繋がっていて、ヘビそのものといったような形をしていますが、体の大きなインドニシキヘビは当然抜け殻も長くなるわけで、脱皮をしようと動き回ってるうちに抜け殻が途中でちぎれてしまうことがほとんどです。

ですが、なんと年明けにほぼ全部つながった状態の抜け殻を回収することができました!!

このまま捨てるのはもったいない・・・

でも、とてもじゃないけどそのままの状態では人前に出せやしない・・・

ということで、抜け殻を洗って干しただけなんですが、せっかくなのでその様子をご紹介しようと思います!!


まずは回収してそのままの抜け殻です。
シワシワのカピカピで泥だらけです。


とりあえず破れないよう慎重に伸ばしてみました。
頭の方(画像の右側)は団子状になっていて、このままでは広げられませんでした。


ぬるま湯につけると、みるみるふやけてふにゃふにゃになりました。
と同時に破れやすくなったので、慎重に汚れを落としながらシワを伸ばしていきます。
4回目のお湯の交換で汚れは落ちなくなりましたが、一応洗剤も使って洗いました。


大誤算、洗剤が多く泡立ちすぎて抜け殻が見えなくなりました。
さっきよりもさらに慎重に手で探りながら軽くこすり洗いし何度かすすぎます。
水から引き揚げる際は、所々破れているとはいえほぼ1枚の袋状になっていて抜け殻の内側に水が溜まります。その重みで破れてしまわないかヒヤヒヤしました。


洗い終わってまだ濡れている抜け殻です。
下顎の部分が欠損しているのと1か所大きな破れがありますが(もともとです!!洗ってる最中にやっちゃったわけではないですからね!!)、ちゃんとヘビの形を保っていて大満足です。
この台の横幅が150㎝ありますが1回折りたたんだだけでは収まりません。


まっすぐ伸ばした状態で乾燥できる場所なかったので、急ごしらえで干す場所を用意。
2日もすればしっかり乾燥していました。

脚立の型がつくかと思いましたがまっすぐ伸ばすことができました。長さを測定したところ、なんと約334㎝もありました。

抜け殻になるとウロコとウロコの隙間の皮膚が伸びきっているので、実際の全長はもう一回り小さいと思いますがそれでも3m近くはあるんじゃないでしょうか。

場所を取ってしまうので常設で展示することは難しいですが、せっかくキレイにしたので何かイベントの際にでもお披露目できればと考えています。お楽しみに!!

アイファー担当飼育員

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